出版社内容情報
現代の都市空間にとって重要な要素である都市近郊農業について,その課題である多角化戦略と持続可能性を経営戦略論の視点から分析する.英国との比較からも,日本型都市農業経営の特徴を浮かび上がらせる.都市農業に期待される多くの機能を効果的に発揮するための基礎的根拠を提供する.
目次
第1部 問題意識と研究課題(背景と目的―都市近郊農業の役割と経営の多角化戦略の意義;研究課題と分析対象地域の設定―経営戦略論による研究アプローチと日英の都市近郊農業の概要)
第2部 日本における都市近郊農業(事業多角化の需要および供給要因―関東地域の市区町村レベルデータを用いた農業経営の空間計量分析;多角化経営の事業構造把握と評価の方法―東京都の野菜および果樹経営における事業間の経営資源共有と機能補完の場合;多角化戦略と経営発展の相互関係―横浜市、市川市および松戸市における多角化プロセスの経営間比較;多角化の影響要因および経営成果―東京都近郊の農業経営者アンケート調査を用いた計量分析;先進的多角化戦略の持続可能性―クラスタ分析を用いた農業経営の類型化とその比較分析)
第3部 英国における都市近郊農業(英国の都市近郊農業経営の多角化戦略―アンケート調査を用いた影響要因とその相互関係の解明;英国の農業経営の効率性と多角化戦略―イングランドにおける事業多角化と経営管理能力の相乗効果)
都市近郊農業における事業多角化の課題と展望
著者等紹介
吉田真悟[ヨシダシンゴ]
1989年群馬県に生まれる。2012年東京大学農学部農業・資源経済学専修卒業。2016年東京大学大学院農学生命科学研究科農業・資源経済学専攻修士課程修了後、英国ニューカッスル大学農村地域経済研究センター(Centre for Rural Economy)客員研究員。2019年東京大学大学院農学生命科学研究科農業・資源経済学専攻博士課程修了。現在、農林水産政策研究所研究員。博士(農学)。主要業績に、吉田真悟・八木洋憲・木南章(2019)「多角化戦略と農業経営の持続可能性―都市近郊農業経営の経営管理能力の役割に着目して」『農業経営研究』第57巻第3号、7‐19頁(令和2年度日本農業経営学会学会誌賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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