出版社内容情報
西洋中近世に多くの地域で展開した兄弟会のもつ多面性や社会的絆のあり方を詳細に分析し、新たな歴史像の構築をめざす。
ヨーロッパ中近世を生きた人々は,共通の守護聖人を信じる俗人の宗教的社団=兄弟会を通して,水平的な相互扶助の関係を築いていた.本書は,イタリア,フランスをはじめ広範な地域に展開した兄弟会の多様性を明らかにし,中近世の社会的絆のかたちを探る.新たなヨーロッパ中近世史像をめざす,比類のない包括的研究.
総 説 信心・慈愛・社会的絆――ヨーロッパ中近世の兄弟会へのアプローチ
第1章 イタリア(米田潔弘)
第2章 フランス(池上俊一・坂野正則)
第3章 ドイツ・スイス(長谷川恵・鍵和田賢)
第4章 ネーデルラント(河原 温)
第5章 イギリス(佐々井真知・唐澤達之)
第6章 スペイン(関 哲行)
第7章 地中海から日本へ(川村信三)
あとがき
【著者紹介】
河原 温
河原 温:首都大学東京都市教養学部教授
目次
総説 信心・慈愛・社会的絆―ヨーロッパ中近世の兄弟会へのアプローチ
第1章 イタリア
第2章 フランス
第3章 ドイツ・スイス
第4章 ネーデルラント
第5章 イギリス
第6章 スペイン
第7章 地中海から日本へ
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
人生ゴルディアス
2
ヨーロッパ各地の兄弟会の類型と共通点と、それぞれ独自のシステムなどを、成立から宗教改革の影響を交えながら近世までを記している。フランスのレナージュは初めて見た。愚者祭に似た感じだけど、若者たち向けで「権力の入れ替わり」を示唆しているところが若者の悲壮な願望を感じさせて物悲しい。不満点としては、入会金や費用などの金額が出てくるが、当時の職工の年収とか比較が欲しかった。スペインの項のみ。最後は突然日本史になって頭が混乱したのと、分野としてマイナーなせいなのか、論に性急なところがある気がした。2015/08/04