出版社内容情報
自由恋愛が禁じられた封建制下、打算もなく一途な愛を貫いた五人の女たち……。お夏と清十郎の密通など、事実に材をとった西鶴の代表作を華麗に描く。
〈目 次〉
其之一 姫路・但馬屋お夏 7
其之二 江戸・八百屋お七 53
其之三 京・大経師暦屋おさん 103
其之四 大坂・樽屋おせん 167
其之五 薩摩・琉球屋お万 2
内容説明
自由恋愛が禁じられた封建制下、一途な愛を貫いた五人の女たち…事実に材をとった西鶴の代表作を華麗に描く!
著者等紹介
牧美也子[マキミヤコ]
神戸生まれ。1957年(昭和32年)、単行本『母恋ワルツ』でデビュー。67年に発表された人形「リカちゃん」は、当時の牧作品のキャラクターからデザインされた。週刊少女誌、ジュニア誌を経て、68年頃から一般誌、週刊青年・女性誌へ執筆の場を移し、新聞、小説誌などの連載イラストや装丁も手がける。74年『緋紋の女』により第3回日本漫画家協会賞優秀賞、75年『星座の女』により第10回カナダモントリオール国際コミックコンテスト第1位、89年『源氏物語』により第34回小学館漫画賞を受賞。『恋人岬』は映画化、『熱愛』『悪女聖書』は連続テレビドラマ化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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更紗蝦
26
井原西鶴の『好色五人女』のコミカライズです。「姫路・但馬屋お夏」「江戸・八百屋お七」「京・大経師暦屋おさん」「大坂・樽屋おせん」「薩摩・琉球屋お万」のうち、樽屋おせんだけは恋愛感情が事件に絡んでおらず、自分にいいがかりをつけてきた女への意趣返しにその女の夫に誘いをかけているので、少々異質に感じました。ラストは牧美也子先生の独自のアレンジが入っており、独特の余韻が残ります。2022/02/04
メメント・モピ
0
八百屋お七が処刑された鈴ヶ森刑場跡へお散歩がてら行ってみた。旧東海道と第一京浜に挟まれ、車が行き交う中にひっそりと供養塔や刑死者の首を洗ったという井戸があり、現代と江戸時代が交わる不思議な空間だった。ここで、あの、恋しい思いから火を放ってしまったお七が亡くなったのか…と、火炙りにするのではなく、反省させることが大事だったのでは…と切ない気持ちになった。物語としては彼女が刑死する結論が良いのだろうが…。2024/05/22