内容説明
記者がのぞきみた先生の秘密「蘿洞先生」、推理小説的な分身譚「友田と松永の話」、横浜を舞台に美少女に貢ぐ中年男を描いた「青い花」、芥川龍之介との論争に発展した「饒舌録」、話題を呼んだ翻訳「グリーブ家のバアバラの話」など、残酷でエロティックな短篇を中心に、大正末から昭和初年の作品群を収載する。
目次
『潤一郎喜劇集』
『赤い屋根』
『近代情痴集 新潮文庫・第八編』
『饒舌録』
単行本未収作品
雑纂
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
訪問者
2
やはり「友田と松永の話」は中編ながら谷崎を代表する傑作である。2019/07/31
MatsumotoShuji
1
谷崎四十過ぎの作品集。書く作品書く作品、起承転結やオチなどなくても、勝手に味わいのある小説になっていた時期だ。随筆は震災にまつわる話中心。それから「大阪の人は電車の中で、平気で子供に小便をさせる人種である」と主張する「阪神見聞録」。阪急電車で二度目撃したんだってさ。阪急利用客のみんな、今は大丈夫だよね?2019/07/12
nekotennperu
0
大正14年、15年に書かれたものが多い。『赤い屋根』からは、大正12年に谷崎一家が暮らしていた本牧の住居のこと。その時に知り合った隣人、ポルトガル人、フランス人、アイルランド人との付き合いや、おせいさんに作ってもらった、季節季節の新鮮な野菜をふんだんに使った本格的な西洋家庭料理のこと、海に突き出た木造二階建ての西洋館で原稿を書き続けた日々が、見えてくるようです。ほか「饒舌録」「「9月1日」前後のこと」など。2020/08/24
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