出版社内容情報
プラトン哲学を再発見し、血肉とした西洋世界は、新たな人間観と世界観を手にする。光と闇が交錯するルネサンス期の思想を活写。
【2008年度 毎日出版文化賞(特別賞)受賞】
内容説明
西洋哲学の全体像を描き出す日本初のシリーズ、第2弾!万物照応めくるめく思想の宇宙。
目次
総論―世界と人間の再発見
ペトラルカ
市民的人文主義者
ニコラウス・クザーヌス
フィチーノ
ピーコ・デッラ・ミランドラ
ポンポナッツィ
マキアヴェッリ
エラスムス
トマス・モア
ルター
ジャン・ボダン
モンテーニュ
自然哲学者(カルダーノ;テレージオ;パトリッツィ)
ブルーノ
スアレス
カンパネッラ
ガリレオ
フランシス・ベイコン
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大森黃馨
4
今回の妙に気になった箇所 1600年に火刑に処されたジョルダーノ・ブルーノの項目にての彼は記憶術の達人であったという記述 ここに言う記憶術とは単なるテクニック以上の意味を持つ思想や魔術的等の意味を持つとの事 本筋とは関わらないのに妙に気になる試しに(もどき行為ではあるが)以前に読んだ推理小説の1ページを想起してみた所その時の魂の在り方が常とは異なっていた気がする やはり記憶術的記憶は人間の魂の在り方に何らかの影響を与えうるものであり極めれば新興宗教的ドグマになりうるのかもしれぬ 2022/09/20
tieckP(ティークP)
4
この巻までパラパラとめくってみたなかでは一番面白かったかなと。ルネサンス哲学は、多様で面白い割に注目度が低いから、こうして一冊にまとまって見る機会がなくて貴重。あとプロティノスが偉大だというのは分かった上で、一者を巡る抽象的な議論が歴史上続いたあとで、そこまで精緻ではなくとも手が届くような考えがルネサンスにおいて披歴されると、モノクロのシーンに色彩が戻り、血が通ったかのような温かみを覚える(その意味でスアレスは3巻に収めた方が良かったかも)。なかでも加藤氏のブルーノ論が短いのに出色で興味を引かれた。2013/05/19
ひょ24
1
哲学って勉強しだすときりないので、こうやって少しずつ、今までの歴史を彩ってきた思想家たちに触れられるのはありがたい。2018/06/07
\サッカリ~ン/
1
ルネサンスと呼ばれる一連の時代でも(当然ではあるが)序盤と終盤では自然科学や人文主義に関する考え方が大きく様変わりしていることがわかる一冊。後半のフランシス・ベーコンなどになると、体感としてかなり現代人にも解しやすい考えになりつつある。図書資料云々については、『俗なる読書』とある通り、思想の分野において活版印刷術の活用がいかに大きな力を秘めていたかということだろう。同時代の宗教改革の発生や書籍の効率的な摂取がそれを物語っている。個人的にはガリレオの哲学分野への影響の考察が非常に楽しく読めた。2015/01/25
R
1
ダンテはルネサンスの範囲でとらえるべきではなく、ロジャー・ベーコンとフランシス・ベーコンはまったく別人だから悩むなと、読書前の自分に言いたい。2011/02/24
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- 和書
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