出版社内容情報
神楽坂は筑土八幡町の工事現場で、猫が小判を掘り出した。飼い主の噺家は一躍時の人に、寄席は大入り満員。しかし小判が発見された土地のオーナーの娘が誘拐されてしまい――落語を愛するベテラン刑事・平林定吉と、新人刑事・三崎優子、落語界の隠れた名探偵・林家正蔵師匠が街の事件を解決。昭和50年代が舞台の落語ミステリ×警察小説第三作。
内容説明
神楽坂は筑土八幡町の工事現場で、猫が小判を掘り出した。飼い主の噺家は一躍時の人となり、寄席は大入り満員!しかし小判が発見された土地のオーナーの娘が誘拐され―落語を愛する刑事・平林定吉と、新人刑事・三崎優子、落語界の隠れた名探偵・林家正蔵師匠が街の事件を解決。昭和五〇年代が舞台の落語ミステリ第三作。
著者等紹介
愛川晶[アイカワアキラ]
1957年福島市生まれ。94年『化身』で第五回鮎川哲也賞を受賞。トリッキーな本格ミステリーを基調としながら、サイコサスペンス、ユーモアミステリー、人情ミステリーと幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
31
★★★✮☆落語刑事シリーズとしては三作目。地元神楽坂の馴染みの地名がバンバン出てくる。この町内には祖父母が住んでいたなとかこの路地はあそこだなとか。けどさすがに昭和五十年代の頃は知らない💦。当時実在した店なのかフィクションなのか。埋蔵金を掘り出してきた猫の話から狂言誘拐。スーパーの万引きから元警官の大先輩が刺された謎。そしてサダキチ家のカカァ天下?焼け焦げがついたはずの毛皮に痕跡がなかったのはなぜ?本当に神楽坂に定席があったら良かったのに。YouTubeで懐かしの名人の噺を聴きたくなる2024/10/05
ちゃも
18
落語とミステリーの混ぜ具合がなんとも絶妙で、楽しかった(^^) 神楽坂という舞台も、昭和50年代という設定も、懐かしい香りが漂うようで、ノスタルジックな感じがありますなあ……😊 オチもバッチリきまりましたね🤣 おあとがよろしいようでm(_ _)m 2024/05/27
NAOAMI
13
気になったシリーズを途中巻でもいいから読んでみようのコーナー(つい、うっかり買ってしまった言い訳)。事件が寄席で掛かった噺とリンクして伏線のようにヒントとなり事件解決の決め手となる仕掛けが施されている。そして時代が昭和50年代という設定。戦後がさほど遠い昔でもない、そんな描かれ方が落語や噺家の醸す雰囲気、舞台の神楽坂ともマッチして、全編の落語のひと節のような味わいがある。事件も凶悪過ぎずどこか日常のボタンの掛け違えのようなゆるさ。今作のメインとなる女刑事の生真面目なんだか惚けてんだかなという視点も面白い。2024/06/12
きょん
12
「埋蔵金伝説と猫の恩返し」「反魂香奇談」「熊の皮騒動」の3編。落語らしい展開とオチは「熊の皮」だと思うけど、自分が浮気をした時に書かれたらしい亡き妻の恨み節あふれる遺書を見つける「反魂香」のくだりがぞっとして結構好き。2024/06/07
小梅さん。
8
ここ掘れわんわんならぬ、ここ掘れニャンニャンとは。 (いや、自分で?掘って持ってきてるからこれも違うんだけど。) 一見微笑ましいようなこの事件の裏にあるものが、、、 落語好き新人刑事優子、がんばってるね。 「新人」扱いは卒業してもいいかも。 同じく落語好きな先輩刑事平林もあいかわらず冴えているし、落語への造詣の深さが素晴らしい。 行き詰ったかに見えた事件に実在の落語家林家正蔵が冴えた推理を披露するのが楽しい。 作品の舞台が昭和50年代というのも雰囲気があって好き。2024/05/16