出版社内容情報
『傷痕の街』で作家デビューした越路玄一郎。野坂昭如との出会い、吉行淳之介、長部日出雄とのバンコク旅行、そして直木賞受賞。その後訪れた睡眠薬中毒と小泉喜美子との離婚。自身が再起へ向かう姿と、一九六四年~七八年の綺羅星のような作家たちの活躍を描く、ハードボイルド作家の自伝的長篇小説完結編。
〈解説〉郷原宏
内容説明
『傷痕の街』で作家デビューした越路玄一郎。野坂昭如との出会い、吉行淳之介、長部日出雄とのバンコク旅行、そして直木賞受賞。その後訪れた睡眠薬中毒と小泉喜美子との離婚。自身が再起へ向かう姿と、一九六四年~七八年の綺羅星のような作家たちの活躍を描く、ハードボイルド作家の自伝的長篇小説完結編。
著者等紹介
生島治郎[イクシマジロウ]
1933(昭和8)年中国・上海生まれ。本名・小泉太郎。早稲田大学第一文学部卒業。56年早川書房に入社。都筑道夫の後を受け『エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン(EQMM)』の編集長を務めるが、小説執筆のために退社。64年『傷痕の街』でデビュー、67年『追いつめる』で第五七回直木賞を受賞。89年から93年まで日本推理作家協会の理事長を務めた。2003(平成15)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
2
前作より自伝の側面が強く出ているが、それでも交遊のある文人達のエピソードは十分に面白い。「深夜特急」を思わせる旅行記のような面もあり充実している。2020/09/15
ごま
0
生島治郎の自伝的小説。私は著者の代表作である『黄土の奔流』は読んでいないけれど、本作と同じ越路玄一郎が妻と出会い、別れるさまを綴った『片翼だけの天使』シリーズは読んでいる、という非常に偏りのある読者なのですが、生島治郎の文章はリーダブルかつ面白いので、一気読みしてしまいました。風俗のくだり、時代を感じます。ちなみに、これを読んでまた片翼シリーズが読みたくなりましたが全て絶版だったため、(片翼だけの)「結婚」「韓国」「女房どの」「天使と悪魔のあいだ」の古本をネットで一気買い。この機会に再販してくれないかな。2020/07/02