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内容説明
世界がひっくり返るほどの感動をしたからこそ、なんとしてでも人にそれを伝えたい――。その一心だけを胸に日本を飛び出し、スラム、事件現場、被災地など国内外様々な場所へ赴き、ひたすら現地で生きる人びとと交わり、その記録を生業にした、いま最注目のルポルタージュ作家が初めて綴った、感動的かつ革新的な人生訓。いかなる惨状の中でも必ず希望を見出し生き抜く人間の生命力から、これからの日本に必要なことを問う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
216
前々から気になっていた石井光太の、ノンフィクションへの迫り方を知りたくて読んでみた。海外へ実際に出かけ、その対象に直当たり。コミュニケーションを取る方法が、面白かった。地元で通訳を雇うより「片言の英語を話せる物乞いと仲良くなる」ことだという。処女作『物乞う仏陀』を、無性に読みたくなった。2020/08/25
さぜん
42
なぜ作家を目指したのか、人生を賭けて仕事をする理由など石井氏の半自伝とも言える一冊。過酷な状況に飛び込み人間の美しさを見つけたい。その感動を伝えたいという動機が彼を突き上げ動かす。物事の多面性を伝えるにはありのままを断定せずに書くことだと言う。辛くて悲惨な状況に目を背けない強さはそこにあるのだろう。彼に触発される若者が増えるといい。2016/09/09
Shoko
23
「物乞う仏陀」に続けて読了。著者の半生を交えながら、ドキュメンタリーを書くこと、それに伴う苦しみや感動、意義について書かれている。人はどんなに辛くても苦しくても生きようとする。それが本来人間に備わっている本能だから。深い悲しみ、絶望の中にあっても、生きるために見出す希望。たとえそれが幻であっても、その時、その人にとってはなくてはならない「小さな神様」「小さな物語」を胸に抱えて、生きている。著者はそれを作品にして教えてくれる。周りがしっかりと理解することによって広がる良い連鎖反応があると信じて。2020/11/09
ふろんた
19
自伝的な本。なぜ貧困地域のルポを書き続けるのか。そのルーツがわかる。2014/05/20
もなか
17
世界の現状、目を背けたくなることもふくめ知ることができてよかったが、この著者の、障害を抱えた方や、風俗業界の人間に対する上からの目線がバカにしているように感じられなんなんだろうと思った。2016/03/06