出版社内容情報
美しく野性的な野々花、聡明でプライドの高い阿佐、繊細ゆえに孤絶しがちな咲。
小学5年生の春、三人はそれぞれの理由でクラスで浮いてしまう。
共通点も一切ない彼女たちだったが、二十歳になり、
それぞれモデル、大学生、ショップ店員と大きくなり、ふしぎな交流をもつ。
三人は少女時代の獣道をくぐりぬけながら、
野々花は男遊びの奔放さをメディアで叩かれ、
阿佐は恋愛経験ゼロの自分を恥じ、性と生をこじらせていく。
そこで、不器用な咲が意外な行動を起こし……
『少女は花の肌をむく』より改題。〈解説・少年アヤ〉
内容説明
小器用な阿佐、美しい野々花、繊細すぎる咲。毎日が不安でたまらなかった小五の少女たちはそれぞれ痛みを抱え、恋愛経験ゼロの大学生、男遊びを叩かれるモデル、夢を諦めたショップ店員に…不意の再会が三人の孤独を変貌させる。性と生がこじれた世界を一蹴し、心の獣を放つ痛快思春期小説。
著者等紹介
朝比奈あすか[アサヒナアスカ]
1976年生まれ。2000年、大伯母の戦争経験を記録したノンフィクション『光さす故郷へ』を発表。06年「憂鬱なハスビーン」で群像新人文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miu
14
阿佐と野々花と咲。10歳のころの3人と20歳になった3人。小学校高学年にもなると立派なヒエラルキーが出来上がっていて、わたしもこの3人のような想いに覚えがある。それぞれの言い分はよくよくわかる。少女たちって夢みがちでまだまだ幼いようだけど、意外と真理をついていたりする。わたしは野々花の性格がとても好き。自分を大切にすることは、時に人を傷つけたりするけれど、また元に戻れる仲間がいるっていいな。2020/01/23
たっきー
10
「少女は花の肌をむく」改題。思春期の友人・異性関係の息苦しさの感覚が蘇る作品。友人が友人につける順位のようなものに、自分が妙に敏感になる」ことに気づいていて、そんな自分が嫌だ…とか、リアルな感覚だなぁと思う描写が良い。2020/03/05
イシカミハサミ
9
「10歳」「20歳」 十年という年月を挟んだ2部構成。 小学校で誰かがだれかを見張っている感じ。 これが大人になった時には、 いい思い出になったりもする。 いい思い出にするためにも、 まずはちゃんと生きていないとな。2020/09/22
こばゆみ
8
学生の頃は特に仲が良かったわけではないのに(むしろいがみ合ったりしてても)、大人になってから仲良くなることってあるよなぁと、自分に重ねながら読んだ。要所要所で挟まるエピソード(服買ったり弁当作ったり骨折したり)が、良いアクセントになっているように感じた。2020/01/10
せいこ
7
女子って面倒くさい(笑) というわたしも、子供の時は、休み時間一人になりたくなくてグループに属してたな。 今回は、他人を気にしすぎる阿佐と自分まっしぐらの野々花、周りと全く馴染めない咲、タイプの違う女子3人の10歳版と20歳版のお話。 周りと協調も多少は必要なんだけど、自分の意見を主張したって無視されない、そんな子供時代を過ごして欲しい。2020/01/11