中公文庫
評伝 北一輝〈2〉明治国体論に抗して

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  • サイズ 文庫判/ページ数 348p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784122059962
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C1121

内容説明

明治三九年、二三歳の北は、「東洋のルソー、明治の頼山陽出づ」と自讃する大著『国体論及び純正社会主義』を刊行。河上肇の絶讃をはじめ反響は大きかったが、天皇制批判等で即発禁。雌伏を余儀なくされる中、幸徳秋水ら社会主義者、宮崎滔天、中国人革命家と交流。大逆事件では取調べを受けた。辛亥革命勃発の報を受け、二八歳の秋、大陸へ渡った。

目次

第1章 中央への挑戦(冬の海;上野帝国図書館 ほか)
第2章 『国体論及び純正社会主義』の思想(「社会主義の経済的正義」;精神的貴族主義者 ほか)
第3章 革命と亡命と(世間沸騰;発禁ならびに印本差押え ほか)
第4章 シナ革命にむけて(宋教仁との結合;彼方のシナ革命 ほか)

著者等紹介

松本健一[マツモトケンイチ]
1946年(昭和21)群馬県生まれ。東京大学経済学部卒業。法政大学大学院在学中に『若き北一輝』(現代評論社)を発表。以後、日本の思想・政治・文学についての評論活動を展開。現在、麗澤大学教授。著書に、『近代アジア精神史の試み』(岩波現代文庫、アジア・太平洋賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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本巻最大の読みどころは、国家権力に執拗にマークされながら、なぜ大逆事件の連座をまぬかれたのか、明確な資料がないために、当時の思想的な立ち位置や交友関係の深浅、官憲の記録などを、丁寧に跡付けることで、おぼろげに浮かび上がらせる手法で迫っている点だ。本来ならび立たないはずの帝国主義と社会主義が同居する特異な精神を浮き彫りにした一巻の筆の冴えは、大著『国体論及び純正社会主義』における独立不羈の批判精神の素描にも遺憾なく発揮されている。シナ革命への華麗なる転身の影に、革命家の勘所である活動資金を募る赤裸々な姿も。2014/09/25

ishii.mg

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動静不明のところを、おそらくこうであった、と断言する根拠はなにか。北一輝とはこういう人物であった(はずである)という思い込みから書いているように思える。2023/03/21

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