出版社内容情報
二十年の漂泊を強いられることとなった知将オデュッセウスの冒険と忍耐の日々がいま語られる──そして、その間領地と貞操を守った妻ペネロペの運命。
内容説明
トロイア戦争終結後10年―果てしなく続く辛苦を乗り越え故郷へ帰還したオデュッセウスの物語。
目次
トロイア王妃ヘカベ―その後のトロイアの人々
オデュッセウスの航海
魔女キルケ
ペネロペとテレマコス
カリュプソとナウシカ
オデュッセウスの弓
ピグマリオン
ヘルマプロディトス
ピュラモスとティスベ
ミダス王
ローマへの道
バウキスとピレモン
著者等紹介
里中満智子[サトナカマチコ]
1948年、大阪市生まれ。64年『ピアの肖像』により第1回講談社新人まんが賞を受賞し、16歳でデビュー。翌年、単身上京、漫画家生活に専念する。74年『あした輝く』などにより第5回講談社出版文化賞児童まんが部門賞、82年『狩人の星座』により第6回講談社漫画賞を受賞。近年はエッセイも手がける。漫画家協会常務理事
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感想・レビュー
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viola
13
これで遂に読み終わりました。全体的にとても面白かったです。オデュッセウス、やっぱり好きなんですよね~。ホメロスの『オデュッセイア』を読む前のあらすじ確認としてもいいかもしれません。思わずほろりとしてしまいました。それにしても・・オデュッセイアのその後のストーリーが(諸説あるらしいけど)あったなんて知りませんでした。著者曰く「一番ひどい続き」は確かに酷い!それはないよー!知っているつもりのギリシャ神話でしたが、この漫画のコラムは大変勉強になりました。8巻読んでいちばん印象に残ったのは、やっぱりメディアだな・2011/07/23
アイアイ
12
トロイア戦争を勝利に導いたポセンドンが、自らの力と奢った人間オデュッセウスに逆鱗の嵐。不幸すぎる徹底すぎる程妨害されとるよオデュッセウス! 身籠らせたキルケはオデュッセウスの息子と結婚するし最後まで散々な人生。 血を流す争いが続いた中、最後のピレモンと妻バウキスの老夫婦愛で心洗われた。▽図書館2015/08/02
aisu
10
1冊ほとんど、トロイア戦争が終結して故郷のイタカへ戻ろうとしたオデュッセウスが漂流した話です。色んな怪物と遭遇し…。一方妻のペネロペは夫の帰りを信じて待っていますが、しつこい求婚者達に「織物が仕上がれば再婚を考える」と言って、織ってはほどいている話。絵画で有名ですね。オデュッセウス無事帰る。他にピグマリオン、両性具有、ロミオとジュリエットの原型のような話、王様の耳はロバの耳、触るもの全部黄金になる、トロイアの敗戦者達がローマに行き新しい都を建てる話、バキウスとピレモンの話が収録されています。2017/02/12
Yuka M
9
トロイア戦争終結。シリーズも完結。すっきりまとまって分かりやすかった。日本の古事記は、世界の神話と比べて排泄物に対する記述が多い。という解説に笑ってしまった。2015/02/10
あおい
8
最終巻。トロイア戦争後、故郷に帰る途中ポセイドンの怒りを買い海を彷徨う事となったオデュッセウスの冒険。様々な苦難を乗り越え愛と希望を失わなかったオデュッセウスが帰国できたのは国を出てから20年後だった。ゼウスに親切にした事で二人一緒に幸せな生涯を終えたバキウスとピレモンの話も良かった。2021/01/27