出版社内容情報
茂兵衛の一人娘が祝言を挙げたのも束の間、太閤・秀吉薨去により世は大いに動揺する。続く前田利家逝去、豊臣家武断派による石田三成襲撃を経て、いよいよ家康は天下への野心を隠さなくなった。悪巧みは冴え渡り、こき使われる茂兵衛は東奔西走する。戦国足軽出世物語、天下を窺う最新15巻!
内容説明
茂兵衛の一人娘である綾乃が祝言を挙げたのも束の間、太閤秀吉が薨去し、世は大いに揺らぐ。続く前田利家逝去、武断派七将による石田三成襲撃を経て、家康はいよいよ天下への野心を隠さなくなった。悪巧みは冴え渡り、こき使われる茂兵衛は東奔西走する。そんな中、綾乃の夫となった矢左右衛門が江戸から京に上ってきた。可愛い娘を奪った憎き婿に、茂兵衛は何かときつく当たるが…。戦国足軽出世物語、虎視耽々の第十五弾!
著者等紹介
井原忠政[イハラタダマサ]
2000年に、脚本「連弾」が第25回城戸賞に入選し、経塚丸雄名義で脚本家デビュー。2016年『旗本金融道(一)銭が情けの新次郎』で時代小説デビューし(経塚丸雄名義)、翌年、同作で第6回歴史時代作家クラブ新人賞を受賞。2020年、ペンネームを井原忠政に変えて歴史時代小説「三河雑兵心得」シリーズの刊行を開始。同シリーズで『この時代小説がすごい!2022年版』文庫書き下ろしランキング第1位を獲得する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねこ
115
三河雑兵心得も15巻。いよいよ秀吉薨去。時代は徳川に大きく傾く。茂兵衛も52歳。家康側近として大いに活躍す。愛馬も雷、仁王と名馬に恵まれたが、今は悍馬(荒っぽい馬)の「野分」だが既に人馬一体。秀吉の惣無事令によって戦は禁止され武士の武断派と文治派の対立が色濃くなる。茂兵衛は娘婿の出っ歯が気に入らず冷遇してきたが、正直で理知的な内面を理解し和睦する。表紙の茂兵衛が惣無事令の中、何故抜刀し血飛沫が飛んでいるのか読んでいてずっと疑問だったけど、えっそうなるの…!禄高も三千石から五千石に加増され名実共に侍大将だ。2025/03/23
みゆ
77
タイトルは『関ヶ原仁義』だが上では関ケ原はまだ出てこない(笑)秀吉亡き後の天下を狙う狸家康の知略謀略、仲裁役や軍使として使わされる茂兵衛。今更だけど、植田村の鼻つまみ者だった茂兵衛が、今や堂々とお役目果たしているのを見ると「立派になって母さんうれしいよ」的な気持ちになってしまいます(笑)次巻でそろそろ完結かな。楽しみです(o^^o)2025/01/14
ケイト
59
秀吉が亡くなって一枚岩でなくなった豊臣家、石田三成が武断派に襲撃される。天下を狙う家康は、着々と外堀を埋めてきた。誰もがこの後どうなるのか不安を感じている中、家康の護衛のために大事な場面に同行する茂兵衛。あ〜とうとう茂兵衛もここまでか⋯横で大泣きする平八郎⋯あ〜危なかっただらー。次回いよいよ決戦関ヶ原、茂兵衛の活躍待ってるだらーーー!2025/03/11
yamatoshiuruhashi
53
石田三成と他の豊臣恩顧の武将たちとの軋轢が表面化。そこに乗じる家康は狡猾さを隠そうともしなくなるところでこの巻は終わる。はてさt、大阪城見物の折に家康が襲われたということは不勉強にしてしらなかったが、その災難を小野が権力固めにつかうのは、歴史上の独裁を狙う者たちの常とう手段である。いよいよ関ヶ原が血がづく中で茂兵衛もこの大阪城で重傷を負うが命は無事。家康の策略の駒となる。270年の平和を生み出す天下分け目がそこまで来ている。次巻が待ち雄々しい。2024/12/26
saga
45
いよいよ関ケ原。上巻はその「前夜」の諸将の動向だ。福島正則ら七将が石田三成を襲撃し、五大老筆頭の家康が調停する。その実務レベルで茂兵衛が活躍するのは、なんとも嬉しい。著者による各武将の性格描写が、世間一般に広がる印象と違っているのも楽しいところだ。本書終盤では、秀頼の重陽の節句を祝うために大坂城に滞在中の家康が襲撃される。史実ではないだろうが、西の丸に家康が居座る口実にするとはなかなか。この暗殺未遂で茂兵衛は瀕死の重傷を負ってしまうが……。これで関ケ原の戦いのお膳立ては整った。下巻を待つ!2024/12/20
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