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出版社内容情報
ウムボルトはノモンハンで麗花と再会を果たし、前線にとどまることを決意するが、両親の死の真相を知らされ......。アドベンチャーロマン、堂々完結!
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
47
虹色のトロツキー堂々完結。この題名からは判らなかったノモンハン国境紛争の悲劇。時代は人の気合、侍魂ではなく兵器。武器の優劣で勝負は決まる。大砲は飛ぶ距離が長い方が勝ち、戦車は砲弾を浴びても故障しない方が勝つ。ソ連は当時の最新兵器を投入。満洲軍はほぼ壊滅状態となる。多くの若く尊い命が戦火に消えていく。ウムボルト、とにかく生きてくれ~っと。激動の昭和初期、自分の父親がトロツキーと接触した過去を持つ軍人であったために対ソ連の満洲国戦略の1駒とされた青年の生涯。感動しました。ほんとに安彦良和さん上手いと思います。2021/11/25
ころこ
31
大東亜共栄圏-五族協和-共産主義と右派から左派までウィングが広い。作者が掲げた壮大な理想は、ウムボルトの魂とトロツキーの幻と共に満洲の荒野を駆け抜けた。68年革命から冷戦崩壊までは今思えばわずか20年足らず。冷戦崩壊から現在までは30年。逆に68年から30年を遡れば、ノモンハン事件の39年に辿り着く。我々は何らかの理想を追い求めることを忘れてはいやしないだろうか。2022/10/11
更紗蝦
6
第二次世界大戦というと、すごく昔の出来事のような気がするのですが、各巻の解説や、ラストの十数ページを読むと、「たった」数十年前のことなんだなぁ…と感じられます。2013/01/06
東雲
5
ノモンハン事件ちゅーのはソ連と外蒙VS関東軍と内蒙の国境線を巡っての争いだったか。何年か前に初めてこれを読んだとき、記載された地図で見た満州国のデカさにビックリした。ビックリしたと借主に言ったら苦笑いされましたっけね。これに当時は韓国も日本の領土だったワケだから、なんだかエラいことだな、と。主要キャラかと思った甘粕正彦は後半ぜんぜん出てこなかったな。建国大学の様子はいかにも古き良き時代で、五族協和を夢見た若者たちの部分もよかった。安彦良和はオッサンの描き方がうまい。満州国についてもっと知りたいな2013/09/08
baron_yamaneko
4
物語としてはトロツキーとは何だったのか、最後は尻切れじゃないかという感じはありつつも面白かった。ノモンハン事件期の満洲国軍について、岡本俊雄氏ら当時は存命だった関係者にも取材して描かれているようで、そういう意味でも貴重。2019/03/02