内容説明
軽井沢移住後数年を経て、ヴィラデスト農園を東部町に設営、礎石を築くまでの数年間を綴る。東京をはなれて十年のちょうど後半部にあたる。軽井沢町長選応援、史上最強の力士雷電を生んだ町、日本一のちゃんこ大鍋、軽井沢AV事情から恵比寿グルメガイド、欧州の旅など、ヴィラデスト発・田園便り。
目次
第1章 軽井沢に暮らす
第2章 おいしい生活
第3章 きょうの風向き
第4章 仮り住まいの日々
第5章 新居完成
第6章 マイ・ライフ・アズ・ア・ファーマー
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
338
玉村豊男氏が信州(当初は軽井沢)に移住して10年。その間の軽井沢暮らし、あるいは東京、はたまた海外へとその都度の雑感を自由にしたためたエッセイ。彼は軽井沢から御代田(小県郡東部町)に移っていよいよ本格的な田舎暮らしを始めるのだが、どこにいても洒脱な都会人であり(けっして悪い意味ではなく)、またコスモポリタンである。きっと色々と不便なのだろうが、それをも生活の楽しみの中に取り込んでいく。雷電鍋などはその最たるもの。この人は、パリもオーベルニュも、また御代田も、すべからく魅力的なものに変えてしまうのだ。2018/01/29
HIRO1970
51
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎復帰5冊目。玉村さんは13冊目。やはり好きですね。この作品は91〜92年頃の物ですが、今の私の年齢よりかなり若いのにかかわらず人生の後半への積極的なアプローチと味のある文章にいつも驚かされます。やはり見つけたら即買いの作家さんですね。2019/05/30
sabosashi
11
軽井沢なんてわたしには、あまり縁がないようにみえる。ちょっとしたひとは、夏になると軽井沢へと発っていく。中国史の中島先生も夏には段ボールに本を詰め込んで軽井沢に引きこもるとか話していたっけ。でもわたしなんかでは軽井沢になんかとうてい家が持てそうもないし。興味がないから、たしか長野県ってその半分は軽井沢じゃなかったっけ、なんてあほなことを思っている(そりゃ、ないか)。 売れっ子の著者も、長い人生ではそれなりに辛酸をなめているようである。2021/04/12
Aya Murakami
10
時代は80年代のことのようです。バブル経済の影響で森がゴルフ場になったり別荘が作られまくったりという状況がよく表現されていました。 後、無秩序で統一感のない街並みをユネスコ村(世界中の建物が見られる遊園地)とたとえたのはクスリときました。2017/08/12
もけうに
3
玉村さんのエッセイはどれも面白く、するする読める。すっかり農民が板についた近年の著作とは違い、田舎に住みつつもまだまだ「都会人」の風が抜けない時代。旅も沢山している。地に足の着いた今の暮らしも面白いが、この時代の「田舎暮らしをする都会人」な暮らし・感性もまた興味深い。2019/05/18
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