内容説明
「日本語」というのは実にややこしい言葉で、どういうようにしてこの言葉を、どんな目でみればいいのか―日本語の起源、方言論からしぐさや稲作などの言葉と日本文化、日本人論にいたるまで、小説家、俳人、国語学者、民族学者等と繰り広げる興趣あふれる対談集。
目次
世界に目ざめて30年―新日本人を語る(井上ひさし;井上好子)
日本語の起源の秘密を追う(大野晋)
日本の母語は各地の方言(徳川宗賢)
しぐさ言葉を生む日本文化(多田道太郎)
空海・芭蕉・子規を語る(赤尾兜子)
稲作文化と言葉(松原正毅)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
59
⭐️⭐️⭐️かなり久々の司馬さんです。今回のマイ読書ブームは8年前からですが、そのきっかはほぼ司馬さんの作品に惹き込まれた故でした。今回は著者の得意な比較文化論的な対談集で、6名の著名な学者や作家と日本人や日本語の起源や成り立ちについて仮説を交えて真相を探っていく司馬史観にたくさん触れられるお話でした。昭和53年ですから初出から間もなく40年経ちますが、古い感じはせずむしろ新たな見方や切り口を教えられた読後感があります。司馬さん累計183冊目読了。日本語、日本人のルーツに興味がある方にはオススメします。2015/08/21
優希
49
当たり前のように日本語を使っていますが、実はかなりややこしいことが分かりました。ルーツや方言を探求すると日本文化に通じていくのですね。2022/05/05
AICHAN
35
図書館本。司馬遼太郎が、作家の井上ひさし、国語学者の大野晋など6人と対談した記録。大野晋との対談では、日本においては国語学、中でも語源学を専攻する人が少なく、その分野の研究が進んでいないといった話が出ている。日本語の語源については多くの人がさまざまな説を出しているが、あまりにも多種多様なのはそのためだろう。各言葉について「これはこうだ!」と断言、とまでいかなくとも十分に納得させてくれるような語源辞典作りを望む。2017/12/27
金吾
21
日本人や日本語を題材とし、それにこだわらず発展・収束しながら進んでいく対談集です。特に日本語については意識していない部分が多いので面白かったです。大野、徳川両教授との対談が良かったです。2025/05/08
時代
13
日本語のルーツについての対談集。子規と漱石の対照がステキ。空海は別格。知識の引き出しが高度すぎてついていけぬですよ△。2020/05/21