内容説明
漂泊の哀しみと純粋な心情を謳いあげ、今日も広く愛誦される若山牧水。飄然と旅に出、ひとり山径をゆく彼の姿は、澄明な寂寥感を湛え、人々の心に染み透ってゆく。酒と旅を愛した歌人が綴る殊玉の紀行文集。
目次
みなかみ紀行
大野原の夏草
追憶と眼前の風景
杜鵑を聴きに
白骨温泉
通蔓草の実
山路
或る旅と絵葉書
野なかの滝
或る島の半日
伊豆紀行
雪の天城越
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
RYOyan
7
「吉田類の酒場放浪記」の年末スペシャルで気になったので原作を読んでみた。公共交通機関の発展途上で旅がまだまだ自然との真剣勝負だった頃、そこで詠む歌とはどんなものだったのか、その心境を伺い知ることができたような気がする。2021/07/19
さっと
7
みなかみ=水上=源流という意味らしい。「私は河の水上というものに不思議な愛着を感ずる癖を持っている。一つの流に沿うて次第にそのつめまで登る。そして峠を越せば其処にまた一つの新しい水源があって小さな瀬を作りながら流れ出している、という風な処に出会うと、胸の苦しくなる様な歓びを覚えるのが常」だそうで、表題作は利根川の源流である群馬北部の奥地紀行で、その足跡はいまも「日本ロマンチック街道」としてブランディングされて親しまれている。素敵っすね。「銚子の河口であれだけの幅を持った利根が石から石を飛んで徒渉出来る↓2021/07/11
meg
1
うつくしい文章。2023/08/29
金木犀
0
93初版 たぶん中公 持ち帰り