中公文庫<br> 李陵

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中公文庫
李陵

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  • サイズ 文庫判/ページ数 247p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784122019348
  • NDC分類 222.042
  • Cコード C1122

内容説明

北方遊牧民族匈奴の大軍との死闘の末、ついに衆寡敵せず捕われの身となり、「匈奴の人」たり果てて彼の地で一生を了えた前漢の武将李陵。その生涯を軸に、遊牧騎馬民族国家内部における“帰化人”、すなわち漢人やイラン系ソグド人などの文化民族、農耕・商業民族が果した役割を追い求める。

目次

李陵出軍す
李陵と司馬遷
李陵をめぐる漢人群像
「李陵の宮殿」―伝承と史実
遊牧騎馬国家内部の漢人たち

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mahiro

8
文学作品で有名な李陵を史記や漢書などの歴史書から、匈奴が取り込み帰化させた多くの漢人達の一人として論じている。当時のソ連領アバカン市で発掘された漢風の建物の遺跡が李陵の館跡であるという説の真偽を問いながらソグドやサマルカンドやウィグル李陵の子孫の血の流れと言われるキルギスなどシルクロードと呼ばれる中央アジアの人種の交流や広がりまで述べ、シルクロード好きにはなかなか興味深い一冊だった。2017/02/02

hatohebi

4
筆者自身が「傑作」と呼ぶ中島敦「李陵」のサブテキストとして読了。筆者はあくまで歴史学者として、李陵を単に遊牧民族に投降した「悲劇の武人」として捉えるのでなく、広大な匈奴帝国の機構に寄与した多くの漢人達の先蹤として評価する。これは非常に新鮮な視点だった。また彼を弁護して宮刑に処された司馬遷にも触れ、こちらは武田泰淳『司馬遷』を引き合いに出している。司馬遷は李陵の敢闘振りを詳細に知った上で、武帝に弁護を試みたのであり、自身を重ねていたとする。2022/10/14

dokugokan1

1
護雅夫『李陵』は、李陵の出軍、降伏後の漢人同士の人間関係、中行説など李陵以外の匈奴に生きた漢人の意義などを論じる。 匈奴の地に生きる漢人相互の嫉妬・確執について詳しく述べられており、興味深い。 ①逃亡や投降などによって匈奴の人となった漢人は相当数いたであろうこと、 ②それらの漢人は、文字をもたなかったといわれる匈奴の社会にあって、人口や家畜の数の調査・管理のために重宝されたこと、 という指摘には蒙を啓かれた。 本書は漢語を多用しているが、漢の武帝の時代を描くには、古めかしい文章もかえって味がある。2021/06/20

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