内容説明
日中戦争―第2次大戦への軍部独走に懸念を抱き、混迷からの脱出を誰もが求め始めていたなか、近衛のブレーントラストと目された国策研究機関・昭和研究会は誕生した。政治家、実業家、革新的学者等、知識人たちが、日本がどうあるべきかと近衛の新体制運動に活路を見出すべく心を燃やした激論の記録。
目次
昭和研究会の誕生
主宰者後藤隆之助
昭和研究会の新しい展開
第1次近衛内閣と支那事変の勃発
支那事変の拡大と内閣大改造
昭和研究会の国策研究(政治・経済問題;文化・教育問題)
昭和研究会の関係団体
三国同盟と昭和研究会
新体制運動と昭和研究会
近衛公と日米交渉
太平洋戦争
戦後―近衛公の最後など
結語―昭和研究会の悲劇
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ア
3
実際に昭和研究会に所属し活動していた人物による、昭和研究会史。主要な人物たちの動きや発言が詳しく述べられておりおもしろい。ただ、色んな人がそれぞれの形で支那事変の拡大に反対し、対米戦争への突入を阻止しようと動いていたのに、あんな戦争に突っ込んでしまったことになんとも暗い気持ちになる。昭和研究会をその流れのなかにどう位置付けるべきかはまだわからないが。2023/01/02
むーみん@あっく
0
ひたすら皇道派を擁護しています2012/08/22
プリン
0
『社会思想史を学ぶ』で取り上げられていた三木清からの連想で昭和研究会にたどり着きました。ずいぶん前に買っていた本で、おそらく再読だと思いますが、以前に読んだ記憶がまったくあいまいです。近衛文麿を取り巻く人間模様が中心で、もう少し立案された政策そのものを知りたく思いましたが、それは別の著作に当たれということなのでしょう。当事者の回顧録的な著作であり、三木清についても別の著作を探してみようと思ってます。2010/03/02