内容説明
太陽(ルイ14世)に憧れながら月光(狂気)に冒され、オーストリア皇妃を慕いつつも美しい青年の肉体に惑い、中世の夢想に耽る一方で19世紀末の政治的現実に倦む、バイエルンの青年君主ルートヴィヒ2世。壮大なワーグナーと絢爛たる城に暗い情熱を傾け、夢の王国と運命をともにした美貌の王の劇的生涯とその謎の最期。
目次
メルヘンの王子
后なき王
鳩と鷲
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
格
2
バイエルン王ルートヴィヒ2世。初めてその名前を知ったのは澁澤龍彦『太陽王と月の王』だったと思う。「オタク」と呼ばれる人種で、この王に惹かれない人がいるのだろうか?選ばれてあることの恍惚と不安。王の幸福は、まさに王であることによって得られる力。自らの理想を現実に構築してみせる力である。王の不幸は、やはりまさに王であることによって発生する国と国民に対する義務。夢に対する現実である。しかし、彼は義務を徹底的に放棄した訳ではない。一口に「暗君」と言える人物ではないようだ(著者が好意的すぎる気もするのだが)2025/03/07
naginuko
1
ちょっとおかしな人ではあったが、狂ってるとまではいかなかったんじゃぁ…。弟の方が重症だったようだし。統合失調症というほどだったのかどうか。でも一国を治める主だからちょっとでもおかしいのは困りものだったのか。財政を逼迫させた城が今や一番の収入源というのは皮肉なものだ。2016/05/31
Yumikoit
0
年末からアッチラの最期、「指輪」「ニーベルンゲンの歌」、ヴォルスンガサガ、本書と色々流し読みしている。 読んでいる最中、テレビを見やるとヴィクトリア女王の恋のドラマをやっている。そういや同世代だな。 同じく同世代にビスマルク、ヴィルヘルム1世、ニコライ1世、フランツヨーゼフ、ナポレオン3世がいる。パリ万博もこの辺り。ふむふむ。色々つながっていく。2016/01/02
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