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星々の舟

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  • サイズ B6判/ページ数 389p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163216508
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

禁断の恋に悩む兄妹、他人の男ばかり好きになる末っ子、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱いて―愛とは、家族とはなにか。こころふるえる感動の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

R

78
入り組んだ家系の物語だった。兄弟姉妹それぞれが、各々に対してコンプレックスではないが、誤解や情念があって、その根本の原因とも考えられる父親が、実は過去に戦争によって心を傷つけられていた、そんな舞台設定というべきか、特別な事情による縺れのようにも見えるけども、些細なところでも家族という中で、こういった行き違いや葛藤はあるんじゃないかと思えた。総じて暗い話で、読んで気が重くなってしまった。2021/12/06

美雀(みすず)

75
母親違いの四人兄妹。ある事件で家族がバラバラになったが母親の死をきっかけに再生しようとしている。四人それぞれの結婚や恋愛は上手くいかなくても兄妹はきっとお互いを分かり合えると思いました。四人の父親の戦争体験が悲しいものであったけど、当時の事を忘れないでいるから家族への愛情が本当は強かったんだなぁと思いました。ただ、不器用なだけで。子供達には違って見えたんだ。2017/01/11

ちゃんみー

58
こんなに大きな宇宙の中で、たった一家族の出来事はちっぽけなものかもしれないが、その一家族の中ではとても大きな意味を持っている。最後の章(重之の章)が物語全体をうまく引き締めているような感じがします。重之のような年齢になった時に私は何か振り返ることがあるのでしょうか?2016/01/09

taiko

57
縁あって同じ舟に乗り合わせた家族の物語。各章ごとに主人公が代わり、それぞれが深い闇を持つに至る話が綴られています。血の繋がりを知らず、同じ舟に乗り合わせてしまったが故に、気持ちを通わせることを許されなかった兄妹の話は切ない。最後の、この家族の中で誰をも押さえ付けていた父の戦争の話には、考えさせられるものがあった。家族に対して父にどうしてもそうせざるを得なくさせた彼の体験、その恐ろしさ、それはやはり誰もが知っていなければならないことなのだと思う。どの話も、それぞれの→続く2017/02/21

ひめか*

52
村山作品を読むのはドラマを観ているような感覚。今回も家族と恋愛の壮大な物語で引き込まれた。複雑な親子関係の4人の兄弟姉妹と、長男の娘、最後は父親の視点で描かれる連作短編で、テーマは不倫、いじめ、暴力、戦争など重いものばかり。血が繋がっているとは思ってなかった兄妹を好きになってしまうの辛い。守ってくれる男性たちがかっこよくて恋愛ドラマみたいにきゅん。許されない愛の続きがもっと見たかった。不倫者ばかりなのはだめ。突然戦争小説になった父の章、戦争より家族の話を聞きたかった…道を決めたそれぞれの今後が気になる。2023/06/12

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