中公文庫
板極道

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  • サイズ 文庫判/ページ数 302p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784122002913
  • NDC分類 733

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アナクマ

24
3章後半_苦闘の日々、と題された青春記。パトロンと言ってしまえばどうイメージするか、人に扶けられ、人を救ける画業を成してゆく棟方。0525空襲の数時間前に富山福光へと疎開。縁あって家族と生きたその土地で「大きないただきものを致しました。それは南無阿弥陀仏でありました…ただの自力で〈かけずりまわって〉来た世界を、その足が自然に他力の世界へ向けられ、仏意の大きさに包まれていたのでした」。他者の存在発見『君あり、故に我あり』『ひとりでは生きられないのも芸のうち』である。◉そして7年ののち、縁によりまた東京へ。2024/12/13

アナクマ

23
棟方志功、26才。3章_苦闘の日々。帝展の洋画壇に「疑いを持ち」「日本から生まれ切れる仕事こそ、本当のモノだと思ったのでした」「わたくしだけではじまる世界をもちたい」。切なる願い。やがて「からだ全体をもやす焰/火の玉/天啓がひらめいたのです。ゴッホが賛美をおしまなかった日本の木版画があるではないか」◉ここに至る道程は必然か偶然か。仮にそれが幸福な勘違いであってもいい。とにかく、めちゃくちゃに熱く活発に動く(べき)時がある。ここの部分は見事な青春記。◉「自分をたたき、たたいて、自分の置きどころを」探すのだ。2024/12/03

さきん

21
そもそも自伝書いていたんだとビックリ。版画の道を究めているからということで板極道。鍛冶屋の息子に生まれ、信仰深い祖母、母の大きな影響を受けながら育つ。戦前から戦後まで青森、東京、富山、アメリカ、ヨーロッパへと世界が広がっていく。2017/12/29

ロビン

19
青森出身の版画家で、柳宗悦や河井寛次郎、濱田庄司らの薫陶を受けながら「世界のムナカタ」へと大成した棟方志功の自伝。先日、生誕120周年記念の展覧会に行ってきたので、本棚から引っ張り出して読んでみた。棟方の作風は非常にのびのびとして生命力にあふれ、色彩も豊かだが、棟方自身とても素直で自由な人柄だと感じた。若き日の感動のままに「わだばゴッホになる」と決意し、ただ一心に作品を作り続け、成功したのちもその純な気持ちを持ち続けたことに美しさを感じる。情熱が人を動かすのだろう、多くの人が彼を援助したことにも打たれる。2023/05/26

T2y@

18
『わだは ゴッホになる。』 棟方の作家人生と、離島・欧米での紀行文。 谷崎潤一郎をして奇人と言わしめた風貌、作風の一方で、本書は、これまでの恩人と家族への感謝に満ちた謙虚な姿勢を強く受ける。東急の創始者 五島慶太との縁は意外だったなあ。2017/08/04

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