出版社内容情報
十八世紀半ば、ヴィーン。若き男爵シュテファンは、大きな秘密を抱えていた。本物のシュテファンは既に亡く、従姉妹であるルイーゼが、シュテファンと装っているのだ。親友であり世話を焼いてくれる青年伯爵ハインリヒにも明かせない秘密だ。すべては敬愛していた先代男爵を殺した者を探し出すため……。そんな綱渡りのような日々を送っているなか、先代男爵の友人であり、政府の要職を務めるウーリヒ伯爵のもとに脅迫状が届いた。恩人でもある伯爵を助けたいと考えたシュテファンは、脅迫状を送りつけた人物を見つけようと捜査に乗り出すが、それは表沙汰にはできない貴族社会の闇へと繋がっていて……? ハプスブルグ帝国を舞台に繰り広げられる愛憎渦巻く陰謀劇!
内容説明
十八世紀半ば、ヴィーン。若き男爵シュテファンは、大きな秘密を抱えていた。本物のシュテファンは既に亡く、従姉妹のルイーゼがシュテファンを装っているのだ。親友であり世話を焼いてくれる青年伯爵ハインリヒにも明かせない秘密だ。すべては敬愛していた先代男爵を殺した者を探し出すため…。ハプスブルク帝国を舞台に繰り広げられる愛憎渦巻く陰謀劇!
著者等紹介
奥乃桜子[オクノサクラコ]
群馬県出身、富山県在住。雑誌Cobalt短編小説新人賞に入選の後、「あやしバイオリン工房へようこそ」で2017年ノベル大賞佳作受賞、同作で文庫デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
23
18世紀半ばヴィーン。大きな秘密を抱える若き男爵シュテファンが、敬愛していた先代男爵を殺した者を探し出そうとする愛憎渦巻く陰謀劇。親友の青年伯爵ハインリヒにも秘密を抱え、従妹であるルイーゼが、既に亡くなった本物のシュテファンを装う綱渡りの日々。そこに先代男爵の友人で、政府の要職を務めるウーリヒ伯爵のもとに脅迫状が届き、恩人を助けようとハインリヒと動き出す展開で、調べていくうちに様々な思惑が明らかになっていく中、その真相はあまりにも皮肉でしたけど、それを乗り越えた揺るぎない2人の絆はなかなか良かったですね。2025/03/18
ぐっち
13
亡くなった従兄弟のシュテファンの代わりとなったルイーゼとその友人ハインリヒ。叔父(ほんとは父)を殺した相手を探すルイーゼだったが、叔父の友人からの頼まれごとで陰謀に巻き込まれ、信頼するハインリヒも何か秘密を持っているようで…。ルイーゼのハインリヒへの複雑な心情を追いかけて、ハラハラしながら楽しめました。いいコンビ。2025/04/05
栗山いなり
8
18世紀のウィーンを舞台に男として生きている令嬢が友人の男ととある事件の真相解明に挑む時代劇ミステリー小説。ミステリーに紙招きの庭を彷彿とさせる恋愛要素に当時の情勢を加えたかなり要素盛りだくさんな作品だったなと思った2025/04/26
enn
1
神招き以来の奥乃作品。あらすじがどんぴしゃ好みで手に取ったらおもしろかった!身代わり男装令嬢と青年伯爵のふたりがハプスブルク家が台頭する時代のウィーンを舞台に仄暗い陰謀の謎を追う物語。訳あり男装令嬢と謎めいた美貌の伯爵とか王道の少女小説要素がぎゅっと詰め込まれていて大満足。ただ早々に結末が予想できたうえに謎が解明するまでの展開が性急だったので、もうすこしふたりのもだもだを堪能するためにもシリーズにして欲しかったのだけれど、これで完結かなあ。題材がおもしろいだけに単作はもったいないので続きますように!2025/04/24
まりりん
0
オレンジ文庫10周年キャンペーンの5冊目はこちら。舞台は18世紀末ウィーン。帯の文句からして「男装令嬢」なのでこれはネタバレじゃない。ジェンダーの話でもあり男女間の友情は成立するかの話でもあり、主人公シュテファン(ルイーゼ)とともに思い悩みながら推理を進めていくエンタメでもあり。聡明なハインリヒが気づいてないわけないよなぁ、と思いつつ読み進めました。終盤の「意趣返し」に「///こいつ…!」とこっそり受けてました。男女の友情は難しいなぁw 同じ作者の「神招きの庭」が読みかけなのでそっちも読まないと!2025/05/09