出版社内容情報
近代国家において、西洋音楽は「動員」と「和解」の2つの役割を担った。
これを一身に体現したのが本書の主人公、京極高鋭である。
京極は、戦前は国民精神総動員の方針のもとに作られた「愛国行進曲」のプロデュースを手がけ、戦後は東京オリンピックの開催に大きく関わった。
祖父は初代東京帝国大学総長・枢密顧問官の加藤弘之、父は昭和天皇の侍医という名家。
本人は幼少時、のちの昭和天皇の遊び相手でもあった。
弟は喜劇役者古川ロッパである。
白樺派の影響を受けて長じた「華麗なる縁の下の力持ち」京極の人生を通して、昭和史における動員と和解、日本が引き受けざるを得なかった矛盾を描く。
内容説明
西洋音楽には、近代日本における動員と和解の二面がある。これを一身で体現したのが本書の主人公、京極高鋭である。華族の家に生まれた京極は、のちの昭和天皇の「御相手」を務め、長じては音楽ジャーナリストとなり、メニューインらと親交を深めた。戦時下には「愛国行進曲」のプロデュースを手がけ、戦後は東京オリンピックの開催に関わった。この「華麗なる縁の下の力持ち」の遍歴に、近代日本が抱えた矛盾と音楽の持つ力を探る。
目次
第一章 昭和天皇の「御相手」
第二章 華族は皇室の藩〓
第三章 クラシック音楽との出会い
第四章 音楽ジャーナリストになる
第五章 著作権問題、結婚
第六章 「愛国行進曲」のプロデューサー
第七章 貴族院議員になる
第八章 戦時下の音楽はどうあるべきか
第九章 戦後の音楽界で
第十章 スポーツと音楽、そして大団円
著者等紹介
古川隆久[フルカワタカヒサ]
日本大学文理学部教授。1962年東京都生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。広島大学総合科学部専任講師、横浜市立大学国際文化学部講師、助教授等を経て、2006年より現職。主な著書に『昭和天皇』(中公新書、2011年。サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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