中公選書
クーデターの技術

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  • サイズ B6判/ページ数 334p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784121100214
  • NDC分類 316.5
  • Cコード C1331

内容説明

ファシズムとコミュニズムが交錯し、複雑な政治状況が欧州を席巻していた時代に、著者自ら渦中にあって体験したことを歴史的視点から描出。その分析的手法は現在まで通じる息の長さを持ち、欧州では同時代の政治を論じるさい、今日でもしばしば引き合いに出される名著である。

目次

第1章 ボリシェヴィキ・クーデターとトロツキーの戦術
第2章 失敗せるクーデターの歴史―トロツキーとスターリンの対立
第3章 一九二〇年ポーランドの体験
第4章 カップ・三月対マルクス
第5章 ボナパルト初めての現代的クーデター
第6章 プリモ・デ・リヴェラとピウスツキ―宮廷人と社会主義将軍
第7章 ムッソリーニとファシスト・クーデター
第8章 女性・ヒトラー

著者等紹介

マラパルテ,クルツィオ[マラパルテ,クルツィオ] [Malaparte,Curzio]
1898‐1957。イタリア人の作家。父はドイツ人で本名はKurt Erich Suckert。早熟な政治少年で、16歳のとき義勇兵として第一次大戦に参加した。1922年、ファシストのローマ進軍に参加し、1924年にファシスト左派の立場から『国家の征服』誌を創刊。「ファシズム側の最も手ごわいペン」と評される雑誌に成長させた。以後、『ノベチェント』『フィエーラ・レッテラーリア』『スタンパ』等、雑誌・新聞の編集長を務め、両大戦間の文学界、ジャーナリズムに重きをなす

手塚和彰[テズカカズアキ]
1941年生まれ、東京大学法学部卒。東京大学助手、千葉大学教授、青山学院大学教授などを経て、国際交流基金ドイツケルン文化会館長(2011年~13年)を務める。現在、弁護士(尚友法律事務所)

鈴木純[スズキジュン]
1949年生まれ、東京大学法学部卒。弁護士登録後、司法試験考査委員(民法担当)、第二東京弁護士会副会長、桐蔭横浜大学法科大学院教授(民事法演習担当)などを務める。現在、弁護士(鈴木純法律事務所)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

36
1931年初出。いかなる手段も自由を圧殺するものとなりうるし、またそれと同様にいかんる手段も自由を防衛するものともなりうる(51頁)。スターリンの強みは、物事に動じない態度と、忍耐力(116頁)。ボナパルトの誤りの中でもっとも重大なものは、ブリュメール18日のクーデター計画を、合法性の尊重と議会手続のメカニズムのうえに構築したこと(194頁)。ボナパルトの戦術の基本原則:議会を適用領域として選択肢、時には暴力を用いることがあっても、合法性を尊重していくこと(222頁)。2016/05/23

funuu

19
クーデターとは、「主として、軍事的な手段で国体を急激に変更する試み」をいう。「クーデターを成功させるためにには、軍隊ないしその一部の動員(とその中立化)、主要国家の支持(たとえば米国中央情報局の支持ないし支持的共謀などを含む)を基礎に、大統領府の占領、空港掌握、放送局掌握、銀行掌握が必要といわれる。空港なくして制空権なし、である。ナポレオン、ムッソリーニ、トロッキーの例が出てくる。現代ではインターネットを押さえるのが重要だろう。2.2.6事件は天皇に対するテロとして葬られた。奥の深い名著だと思います。2017/12/10

たまご

15
ちょっと前に読んでてタイトルも忘れていたのを,みつけて忘れないように登録. 非常に興味深く,面白い.2017/03/23

さえきかずひこ

13
仏革命を議会手続きを必要としたクーデタと位置づけ、革命と見なされる暴力による権力奪取の運動を、戦術的視点から分析する一冊。ロシア革命におけるキイパーソンをトロツキーと見定め評価した上、その戦術を(元)マルキストのムソリーニが欧州で受け継いだと論じる。またムソリーニを徹底的な暴力革命主義者として迫力をもって描写するのと対比的に粗暴さと臆病さを併せ持つヒトラーをまがいものとしてこき下ろしている。叙述に散漫さが見られるが、1931年時点で突撃隊がヒトラーにとって障害である点を指摘しているのは慧眼と言えるだろう。2019/09/13

たまご

6
「人生で影響を受けた本100冊」コミュニティのための本棚登録で. クーデターも,技術です.身につけられるんです…?2020/03/15

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