中公新書
科学技術大国 中国―有人宇宙飛行から原子力、iPS細胞まで

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  • サイズ 新書判/ページ数 190p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121022257
  • NDC分類 502.22
  • Cコード C1240

出版社内容情報

iPS細胞、原子力発電、ゲノム解析に有人宇宙飛行。科学の諸分野で躍進する中国の実力は、本物か。現場とデータの双方から分析する

内容説明

国力増強の勢いを増し、政治や経済、あらゆる分野で日本を凌駕し始めた中国。では、自動車産業や電子・ロボット工学など、日本が世界をリードしている科学技術の分野ではどうか。本書では、スーパーコンピュータや原子力開発、iPS細胞など、近年注視されている六つの科学技術を取り上げ、中国の現状、日本との差異を分析した。中国は、世界“最強”の科学技術大国となりうるのか。その真の実力を探る

目次

序章 巨人の正体
第1章 スパコン「天河1A」と「星雲」
第2章 有人潜水調査船「蛟竜」と海洋科学技術
第3章 望遠鏡LAMOSTと宇宙開発
第4章 核融合研究装置EASTと原子力開発
第5章 iPS細胞マウス「小小」
第6章 遺伝子解析会社BGI社
第7章 中国の科学技術の特徴
終章 日中共存を求めて

著者等紹介

林幸秀[ハヤシユキヒデ]
1948年富山県福光町(現南礪市)生まれ。73年東京大学大学院工学系研究科修士課程(原子力工学専攻)修了。77年米国イリノイ大学大学院修士課程(工業工学専攻)修了。73年科学技術庁入庁。原子力、宇宙開発、海洋開発、科学技術政策などの業務に従事し、2003年文部科学省科学技術・学術政策局長、04年内閣府政策統括官(科学技術政策担当)、06年文部科学省文部科学審議官、08年退官。同年独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)副理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HMax

24
2013年時点の中国がすでに科学技術大国であることを冷静に分析し、良いところは学ばなければならないという姿勢を示す。先ほど、日本の富岳がスパコンせ世界1位に9年ぶりに返り咲いたとニュースでありましたが、2018年のトップ500スパコンの保有台数の第一位はなんと中国:229台、2位アメリカ108台、3位が日本、しかし、その台数は中国の1/7の僅か31台。様々な本で日本の技術力の低下が指摘されています。コロナ禍を、災い転じて福となす、と科研費を増額してください。2020/06/23

miyatatsu

6
これから中国がどうなっていくのか非常に楽しみである一方で急激な発展はもろさがでるのでその点は心配です。2018/11/29

鉄路のほとり

4
日本の科学技術政策と比較した中国の特色を、スパコン、深海調査船、望遠鏡、などから概観する。自前開発にこだわらない(必要な技術はロシアやフランス、米国から買ってくる)。開発ステップはきわめて着実で短兵急なところがない。(神舟シリーズは10数年かけて有人宇宙飛行を準備)。開発途中から商用化を考えている(原発の開発中にパキスタンからも受注)。技術者がそのまま製作者でもある(日本でいう三菱重工やIHIのような民間企業に製作を外注しておらず、研究機関が自分たちで核融合実験設備のためのコイル巻きをしていた。)2013/12/08

たろーたん

2
中国の科学技術の特徴は、現在でもキャッチアップが主体であり、何かを自分たちで作るよりも、とりあえず「スパコンの世界一」「有人潜水調査船の世界一」を目指す。また、ハードウェアが先行し「それを用いて何をするの?」が抜けている場合も多い。また、目標を達成できれば技術・機器は外国依存でも構わない精神。意外なのは、トップダウン系の政治形態であるが、プロジェクト実施は着実で、むしろ日本の方が計画が予定より遅れると予算獲得やプロジェクト評価で不利になるため無理をしても予定通りに運ぼうとする傾向がある。(続)2022/06/12

yoshchy

2
2013年7月刊。昨今の中国に懐疑的な風潮からは程遠い論調の本。本書は、中国の科学技術を客観的に論じた報告書として読むべきであろう。スパコン、有人潜水調査船、望遠鏡、核融合研究装置など、世界初や世界最高レベルのものを扱っている。総じて中国の科学技術の特徴としては、先進国に対するキャッチアップ型で運用・利用が遅れている、技術・機器の海外依存、早急な実用化・商業化などが挙げられるという。例えば、原子炉は、仏・米・露・カナダの設計思想が存在し、さらに主要な構成部品も日本・韓国・スペインなどから輸入され、2013/12/01

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