中公新書<br> 女の旅―幕末維新から明治期の11人

電子版価格
¥990
  • 電書あり

中公新書
女の旅―幕末維新から明治期の11人

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 223p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121021557
  • NDC分類 281
  • Cコード C1226

内容説明

江戸期以前、女性が一人で旅することは難しかった。身の危険、歩きという制約、何より、男に付き従う姿こそ美徳とされたからだろう。だが、明治維新による文明開化以降、女性たちの旅は少しずつ広まっていく。本書は、日記、手記、聞き書きなどの記録から、全国漂泊、京都への出奔、遊説、米国留学、富士山越冬、蒙古行などの足取りを再現。男尊女卑の風潮が強いなか、時代に立ち向かった女性たちの人生を描く。

目次

旅する女たち―明治維新、もう一つの衝撃
田上菊舎―二二歳で未亡人となった美濃派俳人の全国漂泊
松尾多勢子―尊王思想に傾倒した豪農妻の京都出奔
楢崎龍―龍馬妻の新婚旅行から、夫没後の上京苦譚
岸田俊子―民権派女弁士の全国遊説
津田梅子―六歳での米国留学、日本語忘却後の苦難の日々
花子―旅芸人が見た二〇世紀初めのヨーロッパ
野中千代子―女性初の富士山“越冬”八二日の記録
クーデンホーフ光子―欧州渡航と第二の故郷ボヘミアへの思い
河原操子―蒙古王室、教育顧問のアジア紀行〔ほか〕

著者等紹介

山本志乃[ヤマモトシノ]
1965(昭和40)年、鳥取県に生まれる。1991年、筑波大学大学院修士課程環境科学研究科修了。現在、旅の文化研究所主任研究員。民俗学専攻。定期市、行商などの交易伝承や、庶民の信仰の旅などについて調査研究に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

19
考えてみればこの本を読むまでは渡米後の津田梅子の苦労まで知らなかったのだなあと改めて思う。航空路がない時代、皆女性は偏見と闘いながらもものすごい苦労をして見聞を広めていた。私も挑む気持ち、変化を恐れぬ心を持ちたいと願う。こういう切り口の歴史物は好きです。2012/05/20

奏市

14
古本屋で目につきなんとなく買ってみたが、面白かった。幕末から明治期に旅に出た11人の女性の短い伝記。教科書的な歴史記述でない人々の暮らしや女性の立場などが垣間見えて勉強になった。留学、遊説、俳句、夫への随伴等色々な理由で旅に出る。ヨーロッパへ渡り芝居が人気となった花子。たまたま直前に読了したドナルド・キーンさんの『日本人の美意識』で評論あり知ったばかりの人物だったので、偶然感楽しんだ。ロダンが彼女を気に入り顔の彫像複数作ったと。夫の富士頂上での気候観測に当人から危険だと反対されても付添った野中千代子凄い。2021/07/03

犬養三千代

8
幕末から今までの女一人旅を扱う。従者は含まない。明治維新ごの津田梅子の旅、留学なんだけど辛かったかなぁ?いや、6歳くらいだから日本忘れたんだろうなあと思った。河原操子は知らなかった。モンゴルで教育係だって。どの時代もたまたまその立場になったり自ら立ち向かったりした女子は凄い。2023/01/04

きいち

8
おりょうと津田梅子、番外編のイサベラバード以外は知らなかった人たちばかりでとても興味深かった。関所での足止めすら句のネタにした冒頭の田上菊舎、投獄された岸田俊子への母親からの率直そのものの励まし、この2本が特に好き。仕事だけじゃなく家族や生活が重要な側面の1つとして語られるおかげで、旅と生き方そのものとの関わりがより強く印象付けられる、稀有な本となってると思う。一人ひとりもっと詳しく知りたくなる。2012/07/01

まろにしも

7
★★★★ 幕末から明治までの激動の時代にダイナミックに生きた女性達の人生。どの人生も冒険に満ちていて引き込まれた。彼女達は皆タフで思い切りがいいが特に、野中千代子氏の行動は凄まじいを通り越して痛快。終章は蛇足。2015/07/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/4656889
  • ご注意事項