内容説明
「百獣の王じゃないか。光栄だ」人気バンドのドラマー、崎谷貫太はその風貌から〈笑うライオン〉と呼ばれている。ある日人づてに、母親が倒れたことを知った貫太は、十年ぶりに勘当された実家を訪れることに。母親に嫌われていると思っていた貫太だったが、実家で驚くべき光景を目にする―。(「笑うライオン」)誰もが持つその人だけの歌を、温かく紡いだ傑作小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
エンブレムT
75
伝説と化したギタリスト。相棒のために曲を作り続けるケント。トランペットを愛する親分肌のコーイチ。・・・前半3作を『東京バンドワゴン』のメンバーに別設定を持たせた作品として二ヤついて読んでしまいました。我ながら邪道な読者だと思います(笑)8つの作品が収録された連作(?)短編集。どの作品も、才能や成功という光に包まれた人や、それを愛し支えようとする人達の物語なので、一気に読むと物足りなさが無きにしも非ず。でも、音楽を愛する者の、音楽があってこその喜びがストレートに伝わってくる、とても心地良い一冊でした。良作♪2012/06/20
ふじさん
70
歌う人、楽器を演奏する人等音楽に身も心も捧げた人々の人生ドラマがここに描かれている。「唇に愛を」「バラードを」「笑うライオン」「その夜に歌う」は良かった。一番は「その夜に歌う」、エリックとミンディの音楽に懸ける思いと強い絆で結ばれた人生、更にはラスト。音楽に携わった人々の人生の喜びと悲しみがそれぞれの登場人物を通して描かれており、出てくる音楽にも懐かしさを覚えてた。音楽の造詣のある作家らしく、個々の音楽家を描く視線に温かさを感じた。続編が楽しみだ。 2021/01/14
takaC
45
音楽へのアプローチの経験に乏しい自分にも、これは面白い短編集だった。伊藤銀次さん同様、シリーズ化希望。2011/03/21
はらぺこ
43
短編集。 ええ話が多かったし嫌いじゃないけど、なんか眠かった。2015/04/30
ピース
35
音楽に纏わる短編集。どの話もホンワカして暖かくなる話だった。「明日を笑え」はドリフターズをモデルにした話だね。ドリフターズが音楽をやっててビートルズ来日の時に前座をやったなんて若い人達は知らないだろうね。という自分もリアルタイムでは知らないんだけど。2018/12/09
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