感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
fonfon
8
同じ著者の「再び~」の前にこちらを先に読むべきでした。30年前と社会構造に変化はあったはず、だが、30年程度では、人間は変わりようがない。男の子が「男」になるには、ますます困難な時代、ということか。青年期女子の場合があまり語られていないのは「再び」と同様で、その点は残念でした。2012/09/04
Asakura Arata
3
昭和の匂いがプンプンする本。しかし当時が、自分が今立っている現在まで連続していることが確認できる本でもある。2022/12/24
要
3
古い本ですが、最近の新型うつ病などの本を読むのであればこちらを読み、応用的に考える方がよいでしょう。学生で無気力を自覚されている方なら一読の価値ありだと思います。常識で考えれば優れた書物や著述家はひと握りであることを考えれば、このような書物を埋もれさせてはいけないと思います。笠原嘉⇒斎藤環の線と、ほか補助的にその周囲を分けいれば良いと感じられます。情報は人を救うことがあるとは村上龍の小説の言葉ですが、優れた知識(情報)ではないでしょうか。2014/01/12
かとう あき
3
少し前に書かれた本であるため、現代とは少し様子が違う箇所もあるが、おおむね共通している。個人的に面白かった、現代社会における人々の「永遠の青年化」について言及しておきたい。アイデンティティの確立に寄与している社会自体が学問の専門化による学生時代の延長や生涯学習といった終わらない青年期を暗示させる事柄を推奨している。これは非常にパラドキシカルだと私は思う。このことが今日の不充足感を表現しているのか、それとも原因であるのか。私にはどちらともであるように見える。最後に「アイデンティティは論理によっては獲得できな2013/04/22
林檎
3
ノイローゼの不安とは『対象なき不安』であるや『間は魔だ』、『父なき時代』等の言葉が印象に残った。1977年頃が初版というだけあって、全体として古い感じがすることは否めない。ただ、当時からすれば先の未来を見据えて書かれたものであったことがうかがえる。来るところまで来てしまった現代を過去からの視点で見るのには良い本であるかもしれない。2012/02/16
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- 和書
- 味人 〈2008卯月〉