出版社内容情報
徳川時代の為政者中、田沼意次ほど世間から口汚く罵倒され、あげくは汚辱の淵に蹴落されて深く沈淪しているものはない。東西をとわず悪名高い為政者には共通の政治的性格の特徴があるが、不評の条件とは何か。意次の生涯をたどって追究する。
【目次】
序章 不評の条件
1章 絶頂への登攀
2章 派閥と人脈
3章 政治の仕事師
4章 おろしや・おらんだ
5章 運命の大詰
※中公新書『悪名の論理』復刻版
内容説明
徳川時代の為政者中、田沼意次ほど世間から口汚く罵倒され、あげくは汚辱の淵に蹴落されて深く沈淪しているものはない。東西をとわず悪名高い為政者には共通の政治的性格の特徴があるが、不評の条件とは何か。意次の生涯をたどって追究する。
目次
序章 不評の条件
一章 絶頂への登攀
二章 派閥と人脈
三章 政治の仕事師
四章 おろしや・おらんだ
五章 運命の大詰
著者等紹介
江上照彦[エガミテルヒコ]
1910年福岡県生まれ。34年東京大学経済学部卒業。相模女子大学名誉教授。90年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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トト
3
大河ドラマ「べらぼう」で渡辺謙演ずる田沼意次、を追究した研究書。書かれたのは1968年で、これは復刻版。時代を感じる言い回しだが、真面目ぶった文章ではなく、軽快な筆致で、小説のよう。森見登美彦かと思うぐらい。賄賂のイメージもあり、歴史的に悪い人物像で学ぶことが多い田沼だが、改めて優れた政治観、政治力を持つ人間で、まっすぐに政治に生きた政治家であったと認識できる。渡辺謙が演ずるに相応しい人物ということか。2025/06/01
まんむー
1
初版発行が2025年4月だったので最近書かれたものかと思ったら1968年のものだった。子供の時は田沼意次=賄賂政治というイメージだったが、最近は違うようですね。本書も賄賂のイメージを払拭するような内容。とても先駆的で新しいことにどんどん取り組む、経済感覚もある人と捉えました。松平定信との政権争いはドラマを観てるよう。実際、田沼意次は16年、松平定信は6年、政権を握っていた。洪水、干ばつ、火山噴火、それに伴う飢饉という苦難の時代に頑張った方でした。2025/07/16