内容説明
1500日間に及ぶ綿密な取材と膨大なインタビューをもとに書き下ろした本格ノンフィクション。
目次
第1章 ムンバイテロ(忍び寄る破壊者;漆黒からの招かれざる客;生み出されたモンスター;国家の中にある国家;部族の流儀;直接的な脅威;戦慄のゲリラ・テロ;逃げ場なき戦い;電話口の銃殺;繁華街の無差別殺戮;無能警察への慨嘆;有数のテロ被害都市;テロリスト拘束)
第2章 ラシュカレ・トイバ(戦闘員の「顔」;悲観と貧窮;テロリスト訓練;悲しきジハードの萌芽;無知な「捕虜」;モラリティの錯雑;リクルートの景色;芳香を放つ殉教者;もう1人のビンラディン;フェダイーン攻撃;前大統領の本音;アルカイダ化;「テロ商人」の資金力;シカゴ・コネクション;サイードからの手紙;インドのネットワーク)
第3章 カシミールから世界へ(失われた楽園;死のデモ行進;フェイク・エンカウンター;ハーフ・ウィドウ;ブラック・デー;カオスの灰雨;世界を見据えた標的;ナリマン・ハウス;イスラムの血:最期への階段;終焉と黎明)
著者等紹介
山田敏弘[ヤマダトシヒロ]
アメリカの大学を卒業後、写真週刊誌フライデー編集部、ロイター通信社などを経て、現在、ニューズウィーク日本版の編集記者。大学在学中よりテレビ局で報道番組などに携わる。国際情勢や社会問題を中心に取材、ドキュメンタリー映画の監修なども手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ビリー
2
2008年のムンバイ同時多発テロを起こしたラシュカレ・トイバについての本。生存者の証言やインド当局が傍受したテロリスト同士の通話記録および著者自身のムンバイやカシミールで取材のエピソードなどから小説のように構成されており、文章的には非常に読みやすい(内容は重いけど)。自分はしばらくインドに生活していて「インドは被害者側」という視点でしか見ていなかったけど、どうやらそんなに単純な問題ではないことがわかってきた。本来一番の当事者であるはずのカシミール人のが置いてきぼりになっているのが何とも言えない。2016/02/15
Yoshiki Ehara
2
2008年のムンバイ・テロを引き起こした武装勢力ラシュカレ・トイバの実態に迫るノンフィクション。ラシュカレ・トイバの名前を聞いたことの無い方は多いと思う。本書では、カシミール問題の中で産まれ、パキスタンに育てられて、今や弱体化するアルカイダの跡を継いで世界的なテロ組織になろうとしている姿がありありと描かれている。特に、ムンバイ・テロ事件を再現するくだりは鬼気迫るものがあり、背筋が寒くなる。 テロ戦争は、次の段階に進もうとしているのかもしれない。2012/05/22
Hideki
1
パキスタンを拠点とするイスラム過激派組織ラシュカレ・トイバが起こしたテロやその背景について詳細に書かれたノンフィクション。テロの場面など、とてもリアルに書かれているため、フィクションじゃないの?と疑ってしまう程スリルが味わえた。2012/05/31
takao
0
ふむ2017/11/02