内容説明
ホストクラブでナンバー・ワンを目指す兄、ひたすらビル登りをする弟。そして、かつては美人に違いなかった太った女の物語(オハナシ)―。新鋭にして奇才―新井千裕のつむぐ不可思議な小説世界。「水の女」に出会ってから、「軌跡の人」はすこし自由になったのかもしれない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
25
☆☆☆☆ 再読。これを最後にしばらく新井千裕は小説を書かなくなる。私もいつの間にか彼を忘れていた。その後10年以上経ち、「恋するスターダスト」で知らぬ間に復活を遂げた。更に10年が経過し、ようやく私は既読の物語達との再会を果たすことができた。これからは新しい出会いが始まる。さて肝心の感想だが、突飛な比喩やイマジネーションが出てきては、それを「だったりして」とはぐらかす手法は相変わらず。そして「図に愛着を持つホスト」を主人公に、「軌跡に執着する弟」と「水の女」と、登場人物が不思議で魅力的なのも新井ワールド。2016/02/07
聖哉
2
2005年に『恋するスターダスト』が発売されるまで、最後の作品になるのではと囁かれていたので、なかなか手を出せずにいました。ファンサイトで『読者への今までの感謝とお別れ』と評されていただけある内容でした。中身があるようでない感じ、読んでいて切なくなりました。ただ、新井さんならではの言い回しや個性的な物の捉え方は健在。特に石屋さんのくだりで「墓参りの際は墓石の方から伺います」といった表現が面白かった。自宅まで運んでくれるサービス。面白いと思ったと同時に、ゆくゆく実現しそうだなとも思いましたね。2014/10/04
みー
1
人の思考回路の規則性または癖みたいなものは、誰しもあるものなのかなと思いました。2015/04/22
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