内容説明
韓国からの命がけの引揚げ、宝塚での華々しいデビュー、人気映画スター時代を経て舞台の世界へ…。人生にも芝居にも常に全力で取り組んできた女優・有馬稲子。記念碑的舞台「おりん」に結実していく、その役者人生の全てを綴る。
目次
生い立ち
私のタカラヅカ
映画女優
思い出の映画
監督J
結婚、そして
舞台女優
二度目の結婚
「おりん」との出会い
演劇鑑賞会〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワンタン
4
子どもの頃読んだ遠藤周作のエッセーで、美人の代名詞として、また世間で生意気とされている女性としてよく名前が挙がっていた。ヘンな名前だな、実在する人なのかなと思って有馬稲子という名前だけ覚えていたが、大人になってから小津安二郎の映画を1つ観ただけで、人となりについてはこれまで何も知らなかった。こんなに波乱万丈の人生を辿ってきた女優だったとは。父の姉の養女となって釜山に渡り敗戦を迎え、銃撃におびえながら命からがら小さい密航船で帰国。しかし、その後がまた凄絶な人生だ。高峰秀子の自伝を読んだとき以上の衝撃。2018/12/24
梅干し夫人
3
実家の両親、ひどいな・・・高峰秀子さんを思い出した。「俺はお前たちを恨む!」って、捨てた娘にお金の無心をして、それで断られたら恨むとかどんだけ自分勝手なんだ。愛人と作った新しい家庭にかかる生活費ぐらい自分で稼げ~。実母も、さんざん娘にお金を出させておいて断られたら口汚く罵るなんてひどすぎる。不倫は良くないけど、愛情に飢えていたというのは理解できるような気がします。2015/08/17