贖罪

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贖罪

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  • サイズ B6判/ページ数 446p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105431013
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

1935年夏、13歳の少女ブライオニー・タリスは休暇で帰省してくる兄とその友人を自作の劇で迎えるべく、奮闘努力を続けていた。娘の姿を微笑ましく見守る母、一定の距離を取ろうとする姉セシーリア、使用人の息子で姉の幼なじみのロビー・ターナー、そして両親の破局が原因でタリス家にやってきた従姉弟―15歳のローラ、9歳の双子ジャクスンとピエロ―らを巻き込みながら、準備は着々と進んでいるかに見えた。だが練習のさなか、窓辺からふと外を見やったブライオニーの目に飛び込んできたのは、白い裸身を晒す姉と、傍らに立つひとりの男の姿だった…。いくつかの誤解、取り返しのつかぬ事件、戦争と欺瞞。無垢な少女が狂わせてしまった生が、現代に至る無情な時間の流れの果てに、切なくももどかしい結末を呼ぶ。ブッカー賞最終候補。全米批評家協会賞受賞。

著者等紹介

マキューアン,イアン[マキューアン,イアン][McEwan,Ian]
1948年、イギリス・ハンプシャー生まれ。父にともなわれシンガポール、北アフリカのトリポリなどで少年時代を過ごす。サセックス大学を卒業後、イースト・アングリア大学創作科で初めて修士号を受けた学生となる。’76年、第一短篇集でサマセット・モーム賞を受賞。『時間のなかの子供』『黒い犬』などの話題作を相次いで発表し、イギリス文学の奇才として名を馳せる。’97年刊行された『愛の続き』(新潮クレスト・ブックス)はブッカー賞にノミネートされ、翌年、『アムステルダム』(新潮クレスト・ブックス)で同賞を受賞。オックスフォード在住
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

268
13歳の無垢な少女 ブライオニーがついた嘘、 その罪をつぐなう 重厚で心に痛い物語だった。 姉セシーリア、ロビー、 そして登場人物が語る 全ての独白はひとつの 事件に向かって進んでいく…13歳のブライオニーが ついた嘘がセシーリア、 ロビーの、そして皆の 人生を簡単に壊していく。 容赦なく流れる時間が 全編を深い哀しみで覆う。 人は犯した罪をつぐなう ことができるのか…背後に 進行する暗い戦争の傷痕… 最後は息を呑む再会と 明かされる真実…ずしりと 心に残る、そんな物語だった。2015/10/31

どんぐり

82
マキューアン4冊目。キーラ・ナイトレイ主演の『つぐない』(邦題)で映画化されている。姉セシーリアと使用人の息子ロビーの人生を狂わせてしまう少女ブライオニーのついた嘘。少女の嫉妬心と恨み、衝動的な行動が一つの悪意ある物語をでっち上げる。彼女の言葉を疑ったのはセシーリアとロビーの母親だけで、周りの大人たちは少女の言葉をそのまま信じ、ロビーは逮捕、収監される。ドイツ軍の侵攻が著しい戦時下のイギリス、刑期を終えたロビーはフランスの戦線へ追いやられ、セシーリアは、家族と離反しロンドンで看護師となってロビーの帰還を待2017/01/09

愛玉子

60
思春期特有の潔癖さ、思い込みの激しさ、無垢な正義感。作家志望の多感な少女がついた嘘は、初々しい恋人たちの運命を狂わせた。大人になって自分の罪に慄き、償いたいと思ってももう取り返しがつかない。ブライオニーの贖罪は、ただの自己満足かもしれない。ラスト付近の劇も、感動的ではあるが彼女の独善性を象徴する場面にも見える。ただ、決して赦しを得られない罪を生涯見つめ続けた、それには恐ろしいほどの精神力と、深い愛が必要だったのではないか。贖罪とは何か、そして神ならぬ身の作家が紡ぎ出す物語の素晴らしさと限界をも描いた作品。2021/05/16

キムチ

57
読み始め自分が年老いてきていることを痛感。疲れる、読み続けられない、でも1部を終え2部に入り「何とも嫌なキャラクター」ブライオニ―によって狂わされた人生の轍を歩むロビーに光が当たる、爆撃の下にひりつく恐怖の時間を、あたかも読み手も共有するかの如き展開になりすいすい読み進めた。時は流れ、第3部、志願NSとなったブライオニ―、そしてセシーリア・ロビーは同じく戦火の元、祖国の為に邁進する立場であった。13歳の過ちを償うべくセシーリアたちの足下へ赴いた彼女が行ったことは。。。2016/04/02

NAO

52
人は犯してしまった過ちをどうやって償っていけばいいかを問題とした作品。文学好きの13歳の少女が、大人たちに注目されたくてついた嘘。言葉のプロになりたかった少女は、自分の虚偽の証言で他人の人生を狂わせてしまった贖罪として、本当にあったこと、それから起こったことを物語として書き続けている。贖罪の物語は、やがて自分の安らぎを得るためのものとなり、そこにまた罪が重なる。夢見がちな少女ブライオニーに最後まで共感出来ず、とにかく後味の悪い話だった。この作家とは、相性がよくないのかもしれない。2016/02/08

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