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内容説明
スピーディな時間的経過と場面転換、多彩な登場人物と様々なエピソード、鋭い人間観察と辛辣な社会批判…、奇抜で緻密でユーモラスな小説世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のりすけたろう
22
いやー(=´∀｀)めちゃくちゃ面白かった！笑 ニヤニヤしながら読めました。パンティーランドとか、主人公の真面目な人柄とか、真面目な報告書なのに内容が、、、とかバルガス・リョサ、今回も大当たりな作品でした\(//∇//)\🌟✨2020/12/11
三柴ゆよし
18
謹厳実直で家庭第一、軍隊の職務に心底から忠実で冗談の通じない主人公パンタレオン大尉が、その驚異的な経営能力を発揮して巨大売春部隊を建設していく過程にはシムシティ的な痛快さがあって笑える。同じくドタバタ系のコメディ『フリオとシナリオライター』が好きなら是非とも読むべきだが、映画的なカットバックの手法や、パンタレオンが夜毎にうなされる悪夢、生真面目にあほくさい報告書が入れ替わり立ち替わり挿入される特殊な文体はリョサの面目躍如といったところで、直線的な物語を想像している読者はそれなりに意表をつかれることだろう。2012/12/16
多聞
12
本作は小説というよりも、パンタレオン大尉をプレーヤーとした従軍慰安婦部隊経営シミュレーションゲームか。作中で何度も登場する公文書も性にまつわる内容であるせいか、『フリアとシナリオライター』とは異なった趣のある笑いを誘い、終始ニヤニヤしながら読ませてもらった。昨今のゲーム業界では厳しいのを承知でコーエーあたりにゲーム化の署名を出したくなる。2013/02/08
てれまこし
8
今までの作風とは一転して喜劇に挑んだ作品。喜劇と言ってもちょっと物悲しい。奇妙なカルト宗教がはびこるようなアマゾンの辺境で、地元民の女を兵士が襲うのをやめさせるために、移動式淫売宿サービスの組織化を命じられた堅物のパントハ大尉が、軍隊式の生真面目さをもってこの事業を広げていく。上辺は近代化された国も、ちょっと表面を削ると「中世」がはびこってる。そういう諷刺でありそうだが、漱石なんかの時代と違って、現代作家たちはこれを西洋的真善美への無理解として嘆かない。むしろこの「中世」に多大な関心と同情を抱いてる。2024/12/02
rinakko
5
いやはや面白楽しかった！ こういうリョサも大好きだ。ふふふ。大尉へと昇進して張り切る陸軍士官パンタ、彼が言い渡されたあらたな任務は、国境守備隊の為の“婦人巡察奉仕機関”を組織し、極秘で運営することだった（なんと）。と、話は始まるわけだが、温和で生真面目な主人公は、すこぶる有能に仕事をこなして軍の期待以上の成果を上げる。上げて、しまった…。やたらと鯱張った報告書の内容がいちいち可笑しくて、何回吹き出したことか。あと、“人情味に溢れる”ラジオ番組とか、勢いを増す新興宗教集団の存在とか、脇の配置まで心憎いことよ2014/02/19
