ナチスの楽園―アメリカではなぜ元SS将校が大手を振って歩いているのか

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  • サイズ B6判/ページ数 381p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784105069711
  • NDC分類 319.530
  • Cコード C0031

出版社内容情報

なぜ大量の元ナチス幹部が米国で快適に暮らしているのか――国家的不正を追及する司法省特捜室の苦闘を描く。仰天のアメリカ裏面史。

アメリカと元ナチスのおぞましき蜜月関係――! アメリカ政府が、ソ連との冷戦に活用するため、大量の元ナチス幹部を秘密裏に入国させている――国家的不正に気づいた司法省特捜室の執念の捜査が始まった。必死に過去を偽る元ナチスたちと、何とか証拠を掴もうとする特捜検事たちの息詰まる攻防戦の行方は……? ピュリッツァー賞ジャーナリストが描く、驚愕の戦後裏面史。

内容説明

アメリカと元ナチスのおぞましき蜜月関係―大量の元ナチス幹部たちが、アメリカで第二の人生を謳歌していた!ピュリッツァー賞ジャーナリストが暴く驚愕の戦後裏面史!

目次

旧知の間柄―一九七四年七月一二日 ヴァージニア州ラングレー
ヨーロッパ解放の真実―一九四五年春 ミュンヘン郊外、フェーレンヴァルト難民収容所
「善玉ナチス」―一九四五年三月 スイス、チューリヒ
「軽微な戦争犯罪」―一九五六年二月二二日 首都ワシントン
次は自分かもしれない―一九六〇年五月一一日 ブエノス・アイレス
鉤十字に向かって突撃せよ!―一九六三年五月一九日 イリノイ州シカゴ
科学的探求のために―一九七四年一一月二三日 テキサス州サン・アントニオ
暗闇に隠れているわけにいかなくなった―一九七八年九月二〇日 ニュージャージー州パターソン
「醜悪なシミ」―一九八〇年七月一〇日 首都ワシントン
父親のしでかした悪行―一九八一年二月二日 カリフォルニア州サクラメント
せっかくのパーティーが台無しに―一九二八年一〇月一三日 カリフォルニア州サンノゼ
潔白な男―一九八三年六月 ニューヨーク
反動の時―一九八七年四月一五日 首都ワシントン
イワン雷帝―一九九三年一一月一七日 オハイオ州シンシナチ 第六巡回控訴裁判所
ポナリーへの道―一九九三年九月 リトアニア、ヴィリニュス

著者等紹介

リヒトブラウ,エリック[リヒトブラウ,エリック] [Lichtblau,Eric]
1965年、ニューヨーク州シラキュース生まれ。コーネル大学卒業。司法担当記者として、「ロサンゼルス・タイムズ」「タイムズ」などで活躍。その後、「ニューヨーク・タイムズ」でブッシュ政権下の米国国家安全保障局による令状なしの盗聴をスクープし、2006年のピュリッツァー賞を受賞

徳川家広[トクガワイエヒロ]
1965年、東京都生まれ。翻訳家。作家。徳川宗家19代目にあたる。慶應義塾大学経済学部卒。ミシガン大学大学院で経済学修士号、コロンビア大学大学院で政治学修士号を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

82
2014年のナチ追跡モノ。ナチの科学者を対象にしたペーパークリップ作戦以外の、元ナチ・ナチ協力者たちは、優秀な反共主義者であり対ソ連の道具としてCIAやFBIが積極活用していた。しかし70年代から反共についての世相が変化し、米国内で暮らす彼らを追求する空気が生まれたと。時代を追ってのナチハンターたちと政府や国際情勢の変化などなかなか興味深い。また書き方がスリリングで映画のシーンのようだ。年老いた親が戦犯であると知らされる子の話などもある。苦く皮肉な歴史に考える本。ナチもの好き以外の人にもおすすめ。2017/07/30

ペグ

58
何故、アメリカ(CIA.国家安全保障局等)がナチス、元SS将校等の入国を許可し年金まで支払って裕福な暮らしをさせていたのか。第二次大戦後アメリカはソ連を敵視し恐怖していた。ダレス、アイゼンワー、フーバーなどは許しがたく、私はマッカーサーの赤狩り位しか知らなかったので啞然とした。入国させた彼等をスパイさせ、ソ連の情報を得る。政治は国の利害を1とし、個人の生を押しつぶしていく。ナチハンターによる地道な調査は何十年にも及び、けれどその結果は?虚しくなるけれどこのような事実があった事を知り良い読書だったと思う。2017/08/07

Panzer Leader

39
スリリングなナチ追跡物のドキュメンタリー。ロケット工学者フォン・ブラウンやアイヒマン、ゲーレン、ヴォルフ将軍、クラウス・バルビー、ワルトハイムの話は知っていたが、WWⅡ終戦後の米国にこれほど多くのナチまたはその協力者が入国していたとは。しかも人道に反する犯罪に手を染めていた人物の経歴を知っていながら、またはその改竄に手助けをしてまでもとは正に米国の暗黒史。過去よりも反共の姿勢を持つ人物を採用したかと思えば、後年は元ナチス関係者の摘発を徹底的に行う組織を立ち上げたりと、ホント米国は両極端だなあ。2017/12/03

ケニオミ

17
戦後ナチスに関与した人々が、大手を振って程ではないにしろ、アメリカに移民として逃げおおせたり、アメリカの利益にとって有益という見方から連れて来られたりしていたことを暴くノンフィクションです。あまりおもしろくなかったので、途中でさじを投げてしまいましたが、これも一つの人種差別ではないかと思いました。日系アメリカ人は、日本人の血が混じっていることだけで、アメリカ人であったにもかかわらず強制収容所に送られ、辛い思いをしたのに、その一方では残虐の限りを尽くした元ナチスはこうですからね。イヤになっちゃいます。2016/03/07

BLACK無糖好き

14
先の大戦でドイツ敗北後に、戦時難民に紛れアメリカに入国した元ナチス関係者や協力者は数千人、更にアメリカがソ連という脅威と対決する上で役に立つと思われた元ナチスが、国防総省やCIAなどの高官たちの手引きで数百人入国したという。本書ではナチス狩りに執念を燃やす司法省特捜室らナチス.ハンター(一部ユダヤ団体)と、機密情報を暴かれたくないCIAら情報機関との間で繰り広げられる暗闘やかけ引きの様子が描かれている。戦争犯罪人でも利用出来るものは利用しようという、アメリカの撤退したリアリズムの一面が感じられます。 2016/01/17

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