南冥の雫―満州国演義〈8〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 427p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104623099
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

昭和十九年、反撃の牙を剥く大国。人々が恐慌するなか、次郎は“死が約束された地”インパールへと向かう――満州クロニクル最新刊。

追ってくるのは宿命か、自らの犯した罪の報いか――完結へのカウントダウン。昭和十七年。南方作戦の勝利に沸く満州に、米軍による本土襲撃の一報がもたらされる。次々と反撃の牙を?く大国、真実を隠蔽する大本営、無意味な派閥争いに夢中の司令官たち……敗戦の予感に人々が恐慌するなか、敷島次郎はあえて??死が約束された地?インパールへと向かう――唯一無二の満州クロニクル、いよいよ終焉へ。

内容説明

昭和十七年。本格的な反撃を開始した連合軍に対し、大本営は事実を隠蔽し、司令官たちは精神論を振り回すだけ…このまま皇国は破滅してしまうのか。唯一無二の満州全史、いよいよ戦局は最悪の事態に。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

レアル

79
「占領」「侵略」という文字が続くこの巻。もともとこの戦争の始まりは、満州をまもる事が目的だったのではなかったのか。戦争の悲惨さを伝えるこの巻。軍の暴走。陸・海軍の対立。誰も止められなくなった戦争。そして敗戦。その戦争責任は?読んでいるだけで心が重たくなる。そしてとうとう船戸氏が描く満州国も次巻でラストになってしまった。何だか寂しい。。2015/06/16

よっちゃん

26
百田尚樹の『永遠の0』。互いに「靖国で逢おう」と笑顔で語りかけながら死地に赴く特攻隊員。彼らはまちがいなく「英霊」となったのだろう。わたしはその悲壮の死に涙したものだ。どこかに勇ましく雄雄しい覚悟があった「死」である。しかし、『南冥の雫』にある日本軍兵士の死はそうではない。戦闘の死ではない。飢えと病気、「虫葬」という地獄である。兵士たちが死に際に洩らす言葉のほとんどが司令官や首相に対する怨嗟だった。これこそがあの戦争の死だ。わたしはまもなく古希を迎える。70年前の誕生の年にあった事実を心に刻んでおく。 2014/01/26

いくら

25
最後のページまで読み切って動揺をなかなか抑えることができなかった。改めて『南冥の雫』という題字を眺め、そういうことだったのかと気落ちしながら納得。ミッドウェイ海戦を境に南方で苦戦を強いられる帝国軍。対ソ戦で大打撃を受けるドイツとイタリアの降伏。大本営の虚実を垂れ流しする新聞。揺らぐ東条英機内閣。危機が迫っていても手をこまねいて行動できない皇国と敷島家の長男が重なる。インパール作戦に参加し地獄へ踏み出す次郎。三郎の未来も暗いだろう。四郎が戦後の明るい光となり得るのだろうか。2014/06/29

myunclek

22
戦争という歴史の渦に翻弄される日本人を敷島四兄弟を通して語られる物語も、終戦を迎える過酷な状況に。何とも悲惨な戦況の中、家族のために命を賭した人々の思いが無念でならない。次郎の死にざまは、まさに太平洋戦争で命を落とした兵隊の怒りの象徴だ。嫌なやつだと思っていた間垣が実は…敷島家との因縁も次巻には解き明かされそうだ。最終巻、早く手にしたいものだ。2014/04/28

0717

20
シンガポール陥落からフィリピン戦のマッカーサーの敗走、連戦連勝に沸く日本。しかしミッドウェー海戦で雲行きが怪しくなり、ガダルカナル、山本五十六の戦死、アッツ島玉砕、南洋での玉砕•••、インパール作戦まで。官僚の太郎は家庭が破綻、当然の報いであろう。三郎は憲兵隊から機動連隊少佐に。四郎は満映勤務から関東軍特殊情報課の軍属へ。そして次郎は囚人部隊を率いてインパール作戦を側面から支援するが•••。次郎まじで!!2015/08/25

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7772043
  • ご注意事項