身体巡礼―ドイツ・オーストリア・チェコ編

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  • サイズ B6判/ページ数 175p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784104160075
  • NDC分類 385.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

向き合った死体3000。身体を通し人間を観察する解剖学者が中欧を歩く。骨、墓、棺……埋葬から見えるミステリー・ワールド!

骨、墓、棺……埋葬から見えてくる、ヨーロッパの“裏側”に注目せよ。向き合った死体、3000。身体を通して人間を観察し続ける解剖学者が、中欧を歩く。世界遺産の骸骨堂、ハプスブルク家の霊廟、ユダヤ人墓地、カトリック聖地、心臓信仰、黒聖母様、意匠を凝らした墓の数々……無言の死者が伝えるのは、科学をもたらした理性と身体古層の、矛盾か融合か。写真満載のヨーロッパ異聞がここに。

内容説明

向き合った死体、3000。人体を長年観察してきた解剖学者が歩く―埋葬に見るヨーロッパの“裏側”。

目次

第1章 ハプスブルク家の心臓埋葬―ヨーロッパの長い歴史は、無数の死者と共にある
第2章 心臓信仰―日本人には見えない、ヨーロッパの古層
第3章 ヨーロッパの骸骨―チェコ、4万体の人骨で装飾された納骨堂
第4章 内なるユダヤ人―埋葬儀礼はヒト特有のもの
第5章 ウィーンと治療ニヒリズム―脳化社会と身体の喪失、その問題の萌芽を探す
第6章 自己と社会と―身体と表裏一体に存在する、意識と脳についての考察
第7章 墓場めぐり―死を受け入れた身体の扱われ方に表象する死生観
第8章 お墓が中心―名もない死体が目の前に流れ着いたとき、あなたは

著者等紹介

養老孟司[ヨウロウタケシ]
1937年、鎌倉市生まれ。東京大学医学部卒業後、解剖学教室に入る。95年より同大学名誉教授。著書に『からだの見方』(サントリー学芸賞受賞)など。「身体の喪失」から来る社会の変化について生涯をかけて探究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

52
ドイツ、オーストリア、チェコのお墓をめぐる旅。墓場ばかり回った写真が70カット、これは興味深いが、紀行文を期待すると、裏切られるかもしれない。脳化社会と身体の喪失や自己と社会といった、これまでも養老さんが何度か自身の著作で追究してきたことを、いつもの迂遠な言い回しで思索している。生命の消えた身体をどう扱うか――そこに現れる表象こそ、その文化社会のもつ「身体性」だというお墓を巡る旅は、このあとイタリア、ポルトガル、フランスへと続く。2015/01/14

さきん

30
中欧のチェコ、ドイツ、オーストリアの墓巡り。心臓と内臓と体の三つに分けて埋葬するハプスブルク家のやり方やユダヤ人の墓地からユダヤ人差別の原因にせまる。心臓を取り出す風習は、騎士と17世紀以降の貴族に流行ったそうだ。どこから死として受け入れるのかという考察が面白かった。先祖として骸骨を手に持って紹介するパプアニューギニア人、火葬に抵抗なくお盆に先祖を迎える日本、火葬に抵抗があり、土葬が色濃く残る西欧。日本は現世利益が強く、死んだらその現世界から切り離す特徴があるが、ヨーロッパは最後の審判まで、遺体を損じるわ2017/01/07

あちゃくん

29
ヨーロッパ人の死との向き合い方について見るために、養老さんがハプスブルク家の霊廟やユダヤ人墓地やカトリック聖地など現地をめぐった旅のまとめです。合理的なヨーロッパとは違った側面がみられて面白かったです。2015/01/27

meri

23
ゼミ発表のために本棚から引っ張り出した本書。西欧の墓からみる、ヨーロッパの宗教と死期の世界。火葬を残忍な行為としながらも平然と、人骨でシャンデリアなどのアートを作っちゃう西洋人の価値観。謎は尽きないです。また、受験現代文でいやというほどお会いした養老さんが書いてるのも本書を手に取った理由の1つ。メメント・モリの精神で日々を過ごしていけたらいいな。人生いつ終わるかなんて、わからないんだから。…祖母に会う回数、増やそうかな…(笑)2014/12/11

Nobuko Hashimoto

22
このところ墓について調べているので。著者は解剖学者なので、やはり人体、身体をどう捉えるかというところに意識がいくのだなと思いながら、さらっと読む。訪問先の専門家に説明を受けながらの見学記だが、雑誌の連載だったこともあってか、墓や身体について思索していったことをつらつらと書いているので、ちょっと物足りなさもあり。2025/04/04

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