出版社内容情報
2007年、闇サイトに集まった男達に惨殺された一人娘の無念を晴らすため、最終刑確定まで戦い続けた母親の悲しみと、苦悩の記録。
内容説明
娘の死を無駄にはさせない。闇サイトに集まった男達に惨殺された一人娘の無念を晴らすため、刑確定まで、涙を封じて戦い続けた母の無償の愛と再生の記録―。
目次
第1章 娘の命が奪われた夏―2007年(普段と変わらない日;無計画な殺人;恋人との約束 ほか)
第2章 大切な人を奪われた母と恋人の10年(娘なき後の母の人生;娘は分身;娘の誕生―母子の歩みの始まり ほか)
第3章 加害者たちの12年(犯人を許さない;発覚した余罪;獄中からの手紙 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ykmmr (^_^)
129
この事件には当時、凄く心を持っていかれ、もう15年くらい経つ今でも、Wikiや纏め動画、活動を続ける遺族の姿などを観ている。当然、小説も読んでいる訳だが、小説よりも、こちらの方が、最愛の娘・恋人を失った遺族や被害者の彼氏の心情・繋がりが綴られ、読み応えがあった。遺族(被害者のお母さん)には、事件後に息子が出来た訳だが、その繋がりも被害者が、お母さんの為に守り抜いた貯金と同じ位、遺された者からすると、大きい物であっただろう。勿論、こんな形ではなく、普通に『彼氏』・『結婚相手』として、2023/04/11
sayuri
115
数日前に読了したが母親の磯谷冨美子さんの苦しみと悲しみに打ちひしがれ、同時に三人の鬼畜の様な犯人への怒りが溢れ、中々言葉にする事が出来なかった。事件に合うその日まで、自分を女手一つで育ててくれた母親に家を買う為に真面目に働いて来た利恵さん。赤の他人によって惨たらしく殺され遺棄される所以なんて全くない。お金の為なら人を殺す事さえ何とも思わない犯人達、獄中から届いた手紙を読んでも記されているのは暗証番号の事ばかりで論点のズレを感じ、人間としての感情は皆無に思える。闇サイトなんていらない。ただただやりきれない。2020/04/27
akiᵕ̈
37
とても重い読後となるのを承知で読み始めましたが、テレビ番組の特集で見たそれよりも、こうして文字で事件の真相を追ってみると、その残虐さ、不条理さを改めて思い知らされます。犠牲になった利恵さんの母親の気持ち、置かれた状況を思うと言葉が出てこない。利恵さんの31年に関わった全ての人が『事件の被害者』ということ、加害者の人権ばかりに重きを置いている日本の司法制度の矛盾には、被害にあった当事者でないと思い知ることのできない切実な叫びだと思いました。2020/05/31
豊平川散歩
7
この事件の本を何度読んでも、加害者達のことを、心を持った人間とは思えない残忍さに、腹立たしさと恐怖を感じる。何故こういうものの考え方と行動が出来るのか、全く理解できない。だからこそ、こういう事件を起こすのだろうけど。たまたま被害者となってしまった利恵さん。自分がその立場に立ってその場面を想像すると、本当に恐ろしい。執念で死刑を導いた母親の気持ちが痛いほどわかる。加害者達の生立ちを世間にさらけ出すことにより、同様の犯罪者や事件の発生を防ぐことはできないだろうか。2020/04/03
*takahiro✩
6
やっぱり死刑は必要だと思いました。生い立ちや環境でそうなったのではなく、生まれつきの悪人っているんだと思います。そんな奴らに更生なんて必要ないでしょう。2023/10/23