内容説明
中国東北の地において敗戦国民となった日本人女性であることの恐怖、幼い我が子を背負っての果てしない大地の逃避行、極限の飢餓、愛児の死…。祖国日本を想い、過酷な現実を生き抜いた中国残留婦人の凄絶なドラマ。「第7回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞」受賞作、復刊!1989年「天安門事件」以降の中国経済成長の「真相」、自由と民主主義を求める香港の人たちの「今」を伝える再刊あとがきを収録。
目次
第1章 出会い
第2章 極限の選択
第3章 村を逃げ出す
第4章 平頂山事件
第5章 村に生きる
第6章 覚悟
第7章 故郷は外国に変わった
第8章 二つのモラル
第9章 土産物の波紋
第10章 永遠の残留者?
著者等紹介
班忠義[バンツォンイ]
1958年、中国遼寧省撫順市生まれ。1978年、黒龍江大学日本語学科入学。82年、文学学士取得。87年に日本へ留学し、翌年、上智大学新聞学研究科入学。91年、文学修士取得。卒業後は作家、ドキュメンタリー映画監督として中国残留孤児・残留婦人の問題に取り組む。90年に懸賞論文「国際貢献と日本の役割」で日本外務大臣賞、91年に同「国と人間」で毎日新聞賞受賞。92年に応募論文で第7回ノンフィクション朝日ジャーナル大賞受賞。同年末に『曽おばさんの海』として朝日新聞社より刊行された。ドキュメンタリー映画監督作品『太陽がほしい』(2015年/劇場版2018年)で「2018インドネシアジャカルタ映画祭/白金賞」「2018アジア太平洋国際監督映画祭/ゴールド賞」「2018アムステルダムフィルムメーカー国際映画祭/最優秀外国語ドキュメンタリー映画賞」「2018アメリカルイビル国際映画祭/最優秀外国語ドキュメンタリー映画賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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