出版社内容情報
そのルポはなぜ葬られたのか? 「放送禁止」監督の創造力、解放されたら凄かった! こんなに何度も驚愕できる本、滅多にないです。
なぜ「心中事件」のルポは、闇に葬られたのか――あの「放送禁止」の監督は、小説書いても、凄かった! 題材は、ある「心中事件」。死ぬことができなかった女性へのインタビューを中心に構成されたルポ「カミュの刺客」は、なぜ封印されたのか? 熱狂的中毒者続出の「放送禁止」の生みの親、長江俊和が放つ、繊細かつ大胆なミステリ。先入観を投げ捨てて、禁じられたこの世界へどうぞ。こんなに何度も「驚愕」できる本、滅多にないです!
内容説明
社会の暗部を暴き続ける、カリスマ・ドキュメンタリー作家の「心中事件」。相手は、有名女優の妻ではなく、不倫中の女だった。そして、女だけが生き残る。本当は、誰かに殺されたのではないか?「心中」の一部始終を記録したビデオが存在する。不穏な噂があったが、女は一切の取材に応じなかった。7年が経った。ひとりのルポライターが彼女のインタビューに成功し、記事を書き上げる。月刊誌での掲載予告。タイトルは「カミュの刺客」。しかし、そのルポは封印された―。いったい、なぜ?伝説のカルト番組「放送禁止」創造者が書いた小説。
著者等紹介
長江俊和[ナガエトシカズ]
1966年大阪府生まれ。映像作家、小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
411
王様のブランチのブックコーナーで存在を知り、図書館で予約しましたが、出遅れのため、ようやく読めました。長江俊和、初読です。著者の仕掛けを全て理解できた訳ではありませんが、面白さは十分味わえました。シリーズの「連載禁止」や「放送禁止」も読んでみようかな。ところで強烈な負のオーラを纏った薄幸美人は、世の中に存在しているのでしょうか?もし居るならお目にかかってみたいです!2015/09/04
Yunemo
401
何なんでしょうこの感覚。当初、「視覚の死角」という言葉に惹きつけられて、このルポを解き明かそうとの想いで読み進んだのですが。いわゆるルポらしく過去の心中事件との整合性を追究したりして。なぜこんな結果に、結末になってしまうの。文章にいろんな仕掛けがあったのですか。それをこれでもか、というぐらいに突き詰められて、そこではじめて気付くという二歩三歩も遅れてた読解力。それにしても、背景は理解できるのですが、何故に正常な感覚だったはずなのに、病んでしまうの。ちょっと落ち込みながら読了というところですか。2014/11/16
徒花
400
おもしろかった。とある男女の心中事件の真実を追いかけるルポライターの手記を著者が見つけたので、それを公開したという体裁をとっているのが、まずそこで現実と虚構の境界を曖昧にさせる。何個かのどんでん返しがあり、そのすべてがしっかり明らかにされないのは本来は好みじゃないが、本作の場合、設定に伴う不気味さに後味を残す意味ではありではないかと思う。じつはこの装丁そのものが物語を読み解くキーになっていたりするあたりも小憎たらしい感じ。後半は一気に読まざるを得ない。2017/09/21
barabara
238
おもろかった!擬似ルポっぽい文体が冒頭からゾクゾクさせる。不気味な…でもこの先の何かが知りたくて好奇心には勝てない。ラストの流れは使い古されたホラー寄りの稚拙とみるか、入り込んではいけない恐怖の沼に呑み込まれるか、はあなた次第…完2014/09/11
ナイスネイチャ
214
図書館本。普通にミステリー小説として面白かった。色々ヒントがあったみたいですが、そっちの方に注力しているみたいで、そこは余計だったかな?結末はグロかったですが・・。2015/08/31