内容説明
妄想力があれば高齢化社会を楽しく生きることが出来る。
目次
一九九八年五月―頭痛歯痛肩凝り腰痛便秘下痢いっさいナシ
一九九八年六月―鳥が青か白だったらこんなに嫌われるか
一九九八年七月―海の日なら五月二十七日、日本海々戦大勝利の日
一九九八年八月―シーッ、今、貴重な一秒が過ぎて行く
一九九八年九月―朝顔一輪ようやく咲く。黒沢明亡る
一九九八年十月―相手のボケみてわがボケに気づく
一九九八年十一月―六十八歳。この年齢の男の生き方が判らない
一九九八年十二月―空に吸われし二十の心か
一九九九年一月―カンヅメと書き置き。庭からこっそり出る
一九九九年二月―ビング・クロスビーは良い声だな〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おにぎりの具が鮑でゴメンナサイ
13
野坂老人のカッコよさに震える。疾走を続けた人生に、あがいても訪れてしまった晩年に至ってなお、破天荒な欲望の衝動と日々自制しながら敗北する。新聞を広げれば知人の誰かが死んでいて、その人との交わりを回想しては悼む。生き残って、古くなって、それでもまだ勃起する身の処遇を顧みる。若い女と見ればいついかなる時でも行為へと及ぶ可能性を捨てず、老人式どさくさ交渉術を駆使してホテルへ連れ込もうとする。いいところも悪いところも次郎系ラーメンくらいの大盛りに盛ってるんだろうけど、たとえ妄想であろうともこのジジイはカッコいい。2014/05/31
kamome555
1
未来は過去にしかない年齢とまではいかないけど、(仕事以外)妄想をこそ生きている、という感じの日々なので読んでみました。妄想といいつつ、後半以降のとくに体調に関する記述はリアルでなんか胸が痛くなった。戦争を今に伝える活動に注いだ日々は、素晴らしいと思いました。2014/02/04
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