内容説明
あの子をこの手に抱ける。それ以上に良いことなど、この世のどこにあるものか―アジアの異国の男との結婚、出産。新しい感覚で描かれる、母と子の物語。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
michel
13
★3.6。中上健次さんに惹かれ、初読み。やはり、似てる。独特な世界観。一体、私は何を読まされてるのだろう、という不思議な世界。子を宿した経験のある方には、分かるのかなー。その経験のない私には、あまり共感は出来なかった。お父上の方が私は好みかな。2019/01/07
den55
0
2005年以降に「新潮」に発表された短編4作の合冊。それぞれが独立した内容の、私小説的な心理描写がかなり重たい小説群となっている。漆喰の壁を塗るような細かく、しかも重ねながら拡げられていく表現は面白い。「海の宮」「ニナンサン」の幻。「儀式プジャ」の物語性など、夜中に布団に潜り込んで浸るには打って付けの作品だ。最近、時に目にする文学作品を個人の原理や道徳で読み解こうとする場違いな批評に対しては、これは文学であり、私たちが父母から脈々と受け継がれてきた日本の文章表現なのだ。とでも言っておくか(笑2016/04/11
keco
0
ん~。。。人それぞれの理由ってものがあるんでしょうが、日々4人の子供を育てる私にとっては。。。なんだか無責任な女だね。。。哀しいね。。。ってかんじ。いずれにしても冒頭は出産の意ですよね。出産を言葉で表現するのは不可能でしょう。ただ子宮を海の宮と表現された筆者の感性は好き。2013/05/09