出版社内容情報
おそるべき戦場は寝台の上にある――。エロスとスリルの往還で深さを増す物語。東大元総長が意を決して書き上げた、衝撃の長篇小説。世界の均衡は保たれるのか? エロスとサスペンスに満ちた文学的事件! 帝大入試を間近に控えた二朗は、謎めいた伯爵夫人に誘われ、性の昂ぶりを憶えていく。そこに容赦なく挑発を重ねる、従妹の蓬子や和製ルイーズ・ブルックスら魅力的な女たち。しかし背後には、開戦の足音が迫りつつあるらしい――。蠱惑的な文章に乗せられ、いつしか読者は未知のエクスタシーへ。著者22年ぶりとなる衝撃の長編小説。
蓮實 重彦[ハスミ シゲヒコ]
内容説明
エロス×戦争×サスペンス。世界の均衡を揺るがす文学的事件!第29回三島由紀夫賞受賞作。
著者等紹介
蓮實重彦[ハスミシゲヒコ]
1936(昭和11)年東京生れ。東京大学文学部仏文学科卒業。教養学部教授を経て1993年から1995年まで教養学部長。1995年から1997年まで副学長を歴任。1997年から2001年まで第26代総長。主な著書に、『反=日本語論』(1977 読売文学賞受賞)『凡庸な芸術家の肖像 マクシム・デュ・カン論』(1989 芸術選奨文部大臣賞受賞)『監督 小津安二郎』(1983 仏訳 映画書翻訳最高賞)など多数。1999年、芸術文化コマンドゥール勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
遥かなる想い
293
第29回三島由紀夫賞受賞。 ハッとするほどのエロス満載の小説である。 読んでいて ひどく懐かしい気になるのは、 日本古来の文体のせいなのだろうか? 全編に漂う伯爵夫人の赤い官能の姿態は ひどく妖艶で、開戦間近の日本の厳粛な 時代背景とは裏腹に 過剰な性の表現が 続く..卑猥な表現と格調高い文体.. 著者の文学的お遊びなのでは? と思わせるようなお話だった。2017/05/09
starbro
222
三島由紀夫賞受賞で話題のため、読みました。蓮實重彦、初読。古色蒼然とした官能小説、著者の企み?に反し、残念ながら120度erectしませんでした(笑)「熟れたま●こ」他、猥語を連呼するだけでは、官能のスウィッチは押せないのでないでしょうか?本書は新潮社刊ですが、著者は別のペンネームでフランス書院あたりから、ヒッソリ出したかったんではないでしょうか?受賞の記者会見のあの態度は、気恥ずかしさからだと思います。記者から「熟れたま●こ」の経験を訊かれたら、蓮實大先生としてはどうしようもないですよネ。【読メエロ部】2016/07/28
ナイスネイチャ
197
図書館本。三島由紀夫賞受賞と受賞の会見が話題だったので。エロい表現というよりエロい言葉が印刷されているという感じ。ただ昭和初期の上流階級の歪んだ世界が垣間見えて、物語としては勉強になったかな?2016/11/27
青蓮
132
第29回三島由紀夫賞受賞作品。タイトルに惹かれて手に取りました。物語の世界に入り込むまで時間がかかりましたが、何とか読了。卑猥な言葉の羅列もここまで来ると天晴れですが、読み手を選びそうな作風です。書かれるエロスに「男性の願望」が現れてるようで女性の視点から見ると違和感を覚えますが、その奇妙さも「楽しんだもの勝ち」なのかも知れません。結局「伯爵夫人」とは何者だったのか謎が残りますが、その秘密めいた部分が彼女の魅力。作中に出てくる「ぷぺー」「ばふりばふり」と言う擬音語が独特で面白い。読まれる方は覚悟してどうぞ2016/10/19
じいじ
125
久々に途中下車させていただきます。元東大総長が書いた三島由紀夫賞作で面白い、と言うことで読んでみた。なかなか洒落た装丁で、朱色の帯もマッチしている。さて、ここからは毒を吐きます。いきなり、句読点が省かれた長い文章に戸惑う、読みづらい。これが文学なのだ、と言われると、私の稚拙な頭脳では反論できませんが。肝心な本文について―これは大真面目に書いたポルノ小説です。センスに欠ける卑猥な単語を羅列した…。文章の美しさも色気も淑やかさも感じない、情緒がないエログロ感だけが印象に残ります。私には合いませんでした。2017/12/12
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