内容説明
死刑囚ジョン・コーフィは、少女殺しの犯人ではないかもしれない。それにコーフィには奇跡を起こす不思議な力がある―ドラクロアの鼠を生き返らせたのを目撃していた同僚の看守たちは、ポールの説明を信じた。そして脳腫瘍で死に瀕している刑務所長の妻を、コーフィに治療させるという計画を実行に移した。だが、その癒しの手が効力を表わした夜が、悪夢の始まりだったのだ…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
90
脳腫瘍の刑務所長の妻を例の黒人の大男の死刑囚が「奇跡」で救うのが、この巻のメインの話のだが、これについては、想像したとおりだったので、ちょっと拍子抜けな感じはあるけど、反面安心できるかな。 黒人の大男の死刑囚の死にそうな状態もちょっと気になるかな。 あと、現在、老人である私が、過去と交差する部分もあり、どうなるのか? 2020/03/24
NAO
75
【2021年色に繋がる本読書会】凶悪な殺人犯として死刑が確定しているコーフィーだが、彼は本当に人殺しなのか。看守たちの計らいでコーフィーはまたも奇跡を起こすが、いいことがあったあとそのままですまないのが、キングの作品。奇跡が大きければそれだけ、あとに起こる事件もとんでもないことなのだろうと、予測はつくのだが・・。2021/02/18
みや
43
凶悪な憎悪と狂気に塗れ、殺伐とした前巻とは雰囲気が一変した。作戦を立てて夜闇を旅する場面は冒険小説のようであり、未知の奇跡に心が温まるファンタジー要素もある。皆が協力して規則を破り、一つの物事を遂行していく様子は、青春小説のような熱いエネルギーを感じた。緊迫感溢れるスリルが最高に楽しい。前巻の段階ではこんな展開になると思っていなかったので、意外性の連続にページを捲る手を止められなかった。まだ残されている難題を彼らがどうやって解決し、コーフィの運命はどうなるのか。結末を早く知りたいが、終わってほしくない。2017/07/19
やま
42
6分冊の第5巻。今回のメインはコーフィ。彼は不思議な力を再度発揮させるべく、看守たちに連れられ、所長の妻の元に行く。そして奇跡を起こすが、コーフィはわざとなのか、病気を吐き出そうとしない。しかも逃げられる場面があったのに逃げようとしない。いったいコーフィは何を考えているのか。次は最終巻。どういうふうにストーリーは収束していくのだろうか。★★★☆☆2016/01/04
ゆのん
38
再読。五巻目はハラハラヒヤヒヤさせられた。いよいよメリンダの元へコーフィを連れていくわけだが・・。夜を楽しむ場面を読んでるとまるで子どもの様なコーフィを好きにならずにはいられない。時代的なものだとしてもきちんとした捜査もされずに黒人というだけで死刑囚となってしまったのではないか。最近このくらいの時代の南部の作品を読む事がたまたま多いのだが人種差別には本当に辟易させられる。コーフィがメリンダの元から去る時は涙が出た。善良な看守達がこの後どうするのか最終巻へ。2017/08/25