内容説明
大富豪ワイマンは、莫大な資金を投じて、完全コンピュータ制御の外洋ヨットを完成させた。性能を誇示してビジネスに役立てるつもりだ。厳冬のベーリング海を越える世界一過酷なレースに出場した艇の勝利は、確実と思われたが―襲いかかる大波、閉鎖空間で高まる緊張、コンピュータの不審な動き、そしてもうひとつの敵の影が…。息をもつがせぬ波乱万丈の海洋冒険サスペンス。
著者等紹介
セイヤー,ジェイムズ[セイヤー,ジェイムズ][Thayer,James]
1950年ワシントン州シアトル生れ。弁護士をしながら、’77年“THE Hess Cross”でデビューして以来、冒険小説・スパイ小説家として長らく高い人気を博している
安原和見[ヤスハラカズミ]
鹿児島県生れ
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感想・レビュー
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goro@the_booby
43
IT企業の大富豪が作った完全自動制御の大型ヨットを見せつけるために開催される極寒の冬期ベーリング海横断レースに蠢く陰謀、憎悪に爆弾低気圧!少しずつ狂いだす自動制御のヨットの中に外は大荒れの海。舞台は破滅に向かって一直線のヨットなのにジェットコースターの展開で大変面白く読了。いつかは完全自動制御可能なヨットが開発されるのか乗ってみたい気はするが冬のベーリング海は怖すぎです。2023/03/18
鐵太郎
17
完全コンピュータ制御のヨットを運用させるために、ありとあらゆるハイテク機器を想定し、詰め込みます。大富豪の道楽なのですが、サイバネティクスのシステムといううたい文句をつけ、いずれは「我が社の最高のシステムをぜひお買いなさい」という宣伝文句。しかも、厳冬の時期に、サンフランシスコから東京までのヨットレースを開催してしまう。 ──新しい意味での海洋冒険小説のひとつの道標なのかも知れませんが、現代海洋冒険小説は頭打ちらしいですから、こういう突破口しかないのかなぁ。2005/08/06
沼田のに
2
コンピューター制御かつ完全自動操縦の外洋ヨットの処女航海で厳冬のベーリング海経由のレースに参加なんてありえないけど、そうしないとこの本は成り立たない。しょうがないので読んでみると大体の筋は見えているんだけど面白くて引き込まれてしまうのは作者の力量だろう。ということは作者は力量はあるけどインスピレーションが足りないことになるか。サム・ルエリンの「魔の帆走」とどっちが面白いかは「魔の帆走」を忘れてしまったので分らない。6/102016/01/22
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