内容説明
2016年、高知県の海岸で“ニホンカワウソらしき動物”が撮影された。取材を重ねるごとに、幻の動物の生存は確信へと変わってゆく―。環境省の「絶滅宣言」を揺り動かす、渾身のノンフィクション。
目次
第1章 ニホンカワウソらしき動物発見
第2章 「対馬カワウソ」の正体
第3章 誰がカワウソを消したのか?
第4章 カワウソ絶滅説・減少説の再検証
第5章 ニホンカワウソって何だ?
第6章 韓国でカワウソに会う
第7章 ニホンカワウソが見つからないわけ
第8章 再び対馬へ
第9章 ニホンカワウソは生きている
著者等紹介
宗像充[ムナカタミツル]
1975年大分県生まれ。ジャーナリスト。一橋大学卒業。大学時代は山岳部に所属。登山、環境、平和、家族問題などをテーマに執筆をおこなう。ニホンオオカミ、ニホンカワウソ、九州のツキノワグマなど絶滅したとされる動物の生存についてルポルタージュを続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tomomi Yazaki
20
絶滅宣言されたカワウソの動画が撮影された。その騒動は覚えている。だけど、DNA検査で大陸のカワウソの可能性があるとされ、騒動は下火になったはず。じゃあ、ニホンカワウソを明確に説明できるの?と聞いても誰も明確に答えられない。ニホンオオカミと一緒で、生態も形態も研究されていないから。絶滅宣言の根拠は、信頼に足る目撃例がないから。でも調査もせず、机上の推論を繰り広げるのって、おかしくない?これは、そんな疑問を持つ人々の、ニホンカワウソの存在を立証しようとする熱き心を綴ったドキュメンタリーです。2021/11/16
チェアー
6
ニホンカワウソは絶滅していない可能性はあると思う。しかし、本書では生きていることの証明はできていない。なによりフンなどの痕跡が見つかっていないことが痛い。 ただ、ニホンカワウソにもっと関心を抱き、「生きているかもしれない」という目で観察すれば、より情報は集まってくると思う。 構成が悪くて読みにくい本だった。編集者はもっと整理すべき。2021/12/18
chuji
1
久喜市立中央図書館の本。2021年11月初版。初出「世界」844号・2013年6月、「Fielder」2018年8月~20年12月。加筆・修正して、新たな原稿を加えて再構成。ニホンカワウソ生存の決定的証拠は無い。男のロマンか?2022/01/28
オールド・ボリシェビク
1
2012年に環境省が出したニホンカワウソの絶滅宣言に対する異議申し立てともいえるルポ。その意欲は良いのだが、文章がこなれていなくて、加えて、あちらこちらに行ったり来たりする全体構成がいただけない。重複記述も多過ぎて、もう少し、しっかりとした編集が求められるように思う。2021/11/16