新潮文庫<br> 殺人者はいかに誕生したか―「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く

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新潮文庫
殺人者はいかに誕生したか―「十大凶悪事件」を獄中対話で読み解く

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  • サイズ 文庫判/ページ数 349p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101374529
  • NDC分類 368.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

世間を震撼させた凶悪事件。刑事裁判では分からない事件の「なぜ」を臨床心理士の立場から初めて解明した渾身のノンフィクション。

世間を震撼させた凶悪事件の殺人者たち――。臨床心理士として刑事事の心理鑑定を数多く手掛けてきた著者が、犯人たちの「心の闇」に肉薄する。勾留施設を訪ねて面会を重ね、幾度も書簡をやりとりするうちに、これまで決して明かされなかった閉ざされし幼少期の記憶や凄絶な家庭環境が浮かび上がる。彼らが語った人格形成の過程をたどることで、事件の真相が初めて解き明かされる。

内容説明

世間を震撼させた凶悪事件の殺人者たち―。臨床心理士として刑事事件の心理鑑定を数多く手掛けてきた著者が、犯人たちの「心の闇」に肉薄する。勾留施設を訪ねて面会を重ね、幾度も書簡をやりとりするうちに、これまで決して明かされなかった閉ざされし幼少期の記憶や凄絶な家庭環境が浮かび上がる。彼らが語った人格形成の過程をたどることで、事件の真相が初めて解き明かされる。

目次

第1章 なりたくてこんな人間になったんやない―大阪教育大学附属池田小学校児童殺傷事件 宅間守
第2章 私は優しい人間だと、伝えてください―東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件 宮崎勤
第3章 ボクを徹底的に調べてください―大阪自殺サイト連続殺人事件 前上博
第4章 私のような者のために、ありがとうございます―光市母子殺害事件 元少年
第5章 自分が自分でないような感覚だった―同居女性殺人死体遺棄事件 匿名
第6章 一番分からなくてはいけない人間が何も分からないのです―秋田連続児童殺害事件 畠山鈴香
第7章 常識に洗脳された人間に、俺のことが理解できるかな!!―土浦無差別殺傷事件 金川真大
第8章 私は小さい頃から「いい子」を演じてきました―秋葉原無差別殺傷事件 加藤智大
第9章 命日の十一月十七日までに刑を執行してほしい―奈良小一女児殺害事件 小林薫
第10章 これって私の裁判なんですね。はじめて裁判官の顔が見えました―母親による男児せっかん死事件 匿名

著者等紹介

長谷川博一[ハセガワヒロカズ]
1959(昭和34)年、名古屋生れ。南山大学文学部教育学科卒業後、名古屋大学大学院へ進学。臨床心理士。刑事事件における被告の精神鑑定を行ない、勾留中の殺人犯に独自に接見している。また子どもの虐待問題にも積極的に取り組んでいる。2012(平成24)年東海学院大学を退職後、一般社団法人・こころぎふ臨床心理センターを設立しセンター長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やんちゃジジイ

133
モンスターマザー、でっちあげ、というドキュメントを読んで、思い出したようにこの本を取り出し再読した。世にも恐ろしい殺人鬼達は自らの生い立ちに大問題があった人間ばかりだ。死刑が確定した囚人や凶悪犯人達にどんな過去があったのか追及して、何の為になるのか、と思うのではなく、こういう犯罪が起きたのは何故か?と教訓にし社会全体が今後に生かしていかなければいけないと切実に思う。2017/02/10

しいたけ

86
裁判は罪の重さを測るのであって、決して被告のこれまでの人生の重さを測る場ではない。仕事柄世間から死刑を望まれる子どもに会うことがある。報道される犯人像とは全く異なる。それ故死刑制度については複雑な思いを持つ。それでも「この犯人は死刑が相当」と思ってしまう事件がある。光市母子殺人事件がその一つ。この被告とのやり取りの章で、遺族の本村さんが著者に犯罪のない社会を作るための活動に敬意を表するとエールを送ったという話がある。人間の、一体何が凶悪な犯罪を生むのかを明らかにすることこそが、本当に求められることなのだ。2017/07/09

GAKU

69
宮崎勤、宅間守、畠山鈴香等誰もが記憶に残る凶悪犯罪の犯人達10人に、臨床心理士である著者が幾度もの面会、書簡のやり取りを通し犯人たちの心の闇に迫る。ここに登場する犯人全員、悲惨、凄絶な家庭環境が浮かび上がってくる。全てとは思わないが、凶悪犯罪者を生み出す大きな要因として、家庭環境、特に親の育て方や愛情の欠如があると感じた。ある意味ここに登場する犯人たちも、被害者の一人とも言えるのではないだろうか。刑の執行よりも、その前に治療を要する人達ばかりです。⇒ 2017/07/13

ころりんぱ

47
著者の本は3冊目、医者ではなく臨床心理士と言う立場で凶悪犯を獄中に訪ね交流している。なぜ殺人者となってしまったのか。これを紐解くために、びっくりするほどたくさんの重大事件の犯人と面会している。そこには報道されていない犯人の姿…この本はそんな活動の紹介という感じで、何も知らない私たちに、実はこんな事があったんですよ、と教えてくれる感じだった。ひとつひとつの事件の詳細まではこの一冊には収まりきれないだろうし、書けないことも多いんだと思う。誰でもできる仕事じゃない。プロフェッショナルなんだなぁと思った。2015/05/26

ゆうき

45
凶悪な犯罪を起こした犯人達と接近し、獄中対話を通して心の闇を理解ようとする臨床心理士の著者。犯罪者のほとんどが虐待など、不幸な幼少期を過ごしている。又犯行時に解離状態だったとの事だった。だけど『誰でも良かった』など理不尽で残酷な殺し方をされた被害者の気持ちを考えると、どうしても加害者の気持ちなど思う気になれない。2021/03/05

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