内容説明
知らなかった…これはあまりにも理不尽です!妻を殺害された弁護士、ガソリンをかけられたOL―加害者を裁く刑事裁判にも参加できず、補償も受けられず、医療費すら自己負担を強いられて、一人で苦しんできた犯罪被害者たち。その一人ひとりの悲痛な訴えが、ついに国を動かし、画期的な「犯罪被害者等基本法」が成立した。「全国犯罪被害者の会」2992日の記録。
目次
踏み出した一歩
犯罪被害者の過酷な生活
弁護士から被害者に
ゼロからのスタート
二つの動き
大会前夜
第二回大阪大会
支援の広がり
立ちはだかる壁
ヨーロッパ調査(1)被害者の参加
ヨーロッパ調査(2)補償と支援
街頭署名
約束
逆転
基本法
基本計画
法改正とこれから
著者等紹介
東大作[ヒガシダイサク]
1969(昭和44)年東京生れ。’93(平成5)年から2004年まで、NHK報道番組ディレクターとしてNHKスペシャルを企画・制作。「我々はなぜ戦争をしたのか―ベトナム戦争・敵との対話」(放送文化基金賞)「イラク復興 国連の苦闘」(世界国連記者協会・銀賞)など。NHK退社後、現在はブリティッシュ・コロンビア大学大学院博士課程で国際政治を専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
32
元NHK報道番組ディレクター、06年著。何の罪もない女性が、ガソリンを全身にかけられ火をつけられ大火傷。加害者は逮捕され6年収監されたが、慰謝料などの支払いはない。治療費や皮膚の移植は自己負担となり、間断なく続く病院からの請求。しかしようやく04年犯罪被害者等基本法成立。医療費や一時年金による生活費が補償される。当事者でありながら裁判に関われなかった犯罪被害者。(刑事)裁判は誰のためのものか?刑事裁判に損害賠償を求める事はできなかったが、付帯私訴が認められる。また裁判の参加が認められていなかった →2020/03/19
スー
21
被害者がこれほど酷い状況に置かれていたなんて知らなかった。池袋通り魔殺人事件で病院に搬送され死亡、家族には病院から180万円の治療費の請求書が届いた。男にガソリンをかけられ火をつけられ、全身の90%を重度の火傷を負う。懸命の治療で一命をとりとめるも病院からの高額な治療費の請求で苦しめられ、遂には家に居座り支払いを要求される。加害者の治療費は国費なのに、何故被害者は自己負担なのか?前に読んだ加害者家族で加害者側も通常の生活ができず支払い能力が無い事は分かったけど、やっぱりまずは被害者のケアが最優先ではないか2018/08/05
takao
2
ふむ2024/03/30
新橋九段
1
犯罪被害者の会の歩みを結成から法改正まで順に追ったという意味で、分かりやすい資料になっている。2019/10/04
Piichan
0
著者は犯罪被害者・遺族に感情移入するあまり、被害者参加制度に反対する人々を不当に描いているように感じられました。被告人や加害者の権利が守られてきたのは冤罪の防止や更生のためだということも理解されてほしいのですが。