内容説明
恥ずかしいことなんて何もない。彼となら、何でもできる―。幸福な家庭を守りたいのに、気の遠くなるほどの快感とオーガズムを与えてくれる男と出会ってしまった女。運命の相手を探すため、様々な男と身体を重ねていく女。誰にも知られずに秘密の恋人と痺れるようなセックスを楽しむ女。甘やかで、底知れない性愛の深みに堕ちていく女たちを描く、官能に満ちあふれた九つの物語。
著者等紹介
唯川恵[ユイカワケイ]
1955(昭和30)年、金沢市生れ。銀行勤務などを経て、’84年「海色の午後」でコバルト・ノベル大賞を受賞。恋愛小説やエッセイで、多くの読者の共感を集めている。2002(平成14)年、『肩ごしの恋人』で直木賞、’08年、『愛に似たもの』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そる
235
エロいながらもキレイで官能小説みたいな短編集。でも最後はホラーチックで、愛とセックスって狂気じみていくことあるなぁ⋯と妙に納得。「エロス」の果ては「タナトス」になるかも。結構わかる部分あり、そしてちょっと悶々とした笑。欲求不満?!笑。「たぶん、多くの人間は、自分の片割れと出会えないまま人生を終わるのだろう。今となれば、それはそれで幸福なのだとよくわかる。幸二がもたらす快感もオーガズムも、知らなければそれで済んだはずだった。でも知ってしまった。最高のセックスがどんなものか、もう身体が覚えてしまっている。」2023/08/02
おしゃべりメガネ
224
自分が読書を始めた平成ひとケタ前半の高校生の頃、『シングル・ブルー』を読みましたが、今思うと当時16、7歳の男子高校生が読むべき内容&作家さんではなかったみたいですね。時を経て、20年ぶりぐらいに唯川さんの作品を手に取りましたが、改めてやはり女流作家さんは本当に文章がキレイで素晴らしいです。江國さんしかり、小池さんしかりですが、本当に読むというよりは文字が映像のように映り込んでくる感じがします。官能的な作品が主ですが、イヤらしいというワケではなく、「性」のあらゆる側面を丁寧に描いている素敵な作品でした。2010/11/23
ミッフー
110
今年初読み本がなんとこれ😍女流作家唯川さんの短編9話からなる官能エロ小説🔞男性作家如くストレートで濃厚なトロットロでクチュクチュと音が聞こえてきそうなお話💗でも林真理子の小説みたいに男の神経逆撫でするような事もなく腹が立たない👍女性の深層心理にある性に対する貪慾さを再確認でき何故か嬉しくなるスケベな僕😅でもやはり男性は女性に比べ性に対し貧欲だわ💦題名「とける、とろける」みたいな性体験した男は僕含めいないのでは❓🤔男はどんなに興奮してても常に頭の何処かで冷静な自分がいて客観的に見てるからね😥2020/01/04
じいじ
109
『とける、とろける』とても意味深な響きをもったタイトルの短篇集である。性愛に渇望感を抱く女、性に欲情する女、冷めた夫婦生活のさなか、性の悦びを夫以外に求める女…。女のサガ、心の奥底に潜む性への思い願望を綴った官能の9話。さすが唯川さん、ストーリーの上手さにホラーの要素も加えて、面白く読ませてくれました。2020/02/07
ふぅわん
108
【心だけでなく体も】とろける官能ホラー。女の欲望、嫉妬、羨望、性愛。エロエロ。きゃー(//∇//)対等な交わりは切ないな。鍵のようにピタッとあてはまる人と出会えたら涙も出るくらい未知の世界に入り込んでしまうでしょうね。人は孤独な部分を埋めてしまえる快楽が欲しくなるということか。解説にまとめられた描写。男の人にはたまらなく感じるかも。女もか(//∇//)短編だからちょうどいい潤いなのかも。とはいえ女の心って怖いなぁ。もうすぐバレンタイン。チョコを食べながら、この本を味わってみる?さらに甘くとろけるのかなぁ。2020/01/26