新潮文庫
天皇家の“ふるさと”日向をゆく

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  • サイズ 文庫判/ページ数 284p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101244112
  • NDC分類 164.1
  • Cコード C0121

内容説明

梅原猛が戦後歴史学最大の“タブー”に挑戦、南九州の旅で記紀の神話を実地検証。サルタヒコに導かれ天孫降臨の地を実感し、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの物語に国際結婚の難しさを思い、神話は人間の姿をとって生き生きと甦る。そして国産み・国造り物語が解きほぐされ、天皇家誕生の隠れたドラマが明らかに…。梅原流アプローチが冴えわたる、知的興奮に満ちた大胆推理紀行。

目次

1 日向神話のタブーに挑む
2 高千穂論争、私はこう考える
3 神代の国際都市・高千穂を歩く
4 妻をめとらば西都原
5 アマテラスは宮崎出身?
6 天孫族、海へ
7 火を噴く神の山・霧島
8 乾坤一擲、東征の旅へ
9 薩摩半島はワタツミの国か
10 旅の終わりに

著者等紹介

梅原猛[ウメハラタケシ]
1925(大正14)年、宮城県生れ。京大哲学科卒。立命館大学教授、京都市立芸術大学学長、国際日本文化研究センター所長等を歴任。’92(平成4)年、文化功労者。主著に『隠された十字架』(毎日出版文化賞)、『水底の歌』(大仏次郎賞)等。縄文時代から近代までを視野におさめ、文学・歴史・宗教等を包括して日本文化の深層を解明する幾多の論考は“梅原日本学”と呼ばれる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ベルるるる

7
鹿児島の霧島、宮崎に近いうちに行こうと思っているので参考に読む。写真も多いしナナメ読みでも楽しめた。神話には、どこかしら史実が隠れていると思う。昨年はこの本に出てきた高千穂や指宿の枚聞神社に行ったし、数年前に宮崎の西都原や薩摩半島の笠沙にも行った。訪れた時の記憶がこの本をより面白くしてくれた。2015/09/20

tsubomi

7
2014.11.29-12.07:高千穂旅行の参考になるかな、という軽い気持ちで旅行初日から読み始めた本。考古学的事実と神話と土地の伝承とを比較検討し、さらに著者が宮崎~鹿児島にかけて遺跡や神社などを訪ね歩いて感じたことを含めてカラー写真を多用しつつ紀行文的にわかりやすく書かれていて、日本神話初心者の私にも読みやすかったです。性的におおらかな内容の神話と稲作農業に秀でた天孫族が徐々に勢力を拡大していく様が古代人の息吹を感じさせます。この神話が侵略戦争に使われたことが残念だと明記してあるのも好感が持てます。2014/12/07

雛子

6
何年かぶりに再読。以前は宮崎を離れていたときに手に取ったので、写真を眺めているだけで懐かしかった。内容としては、梅原氏が古代日向の地を旅しながら記紀を考察していくというもの。高千穂に降臨した天孫族が土着の神と結びながら徐々に勢力を拡大し、大和にうって出るまでの神話や伝承を大切に拾い上げていく様子は、とても好感が持てる。この南九州“日向”という地には、天孫族にまつわる伝承があちらこちらにたくさんある。ファンタジーな神話でなく歴史の一幕としての神話という見方をしたときに、いつもこの本を思い出す。2012/05/19

KJ

5
神話が歴史と結び付く。ある意味でそれは、神秘性の喪失である一方で、多いに知的興奮を刺激されるものだ。現在が過去から繋がっている以上、必ずそこには「始まりの物語」が存在するはずである。科学的に見れば、記紀に描かれた神話は、確かにあり得ない事に違いない。ただ現実に宮崎の地には、神話を拠り所とした場所や伝承が存在し、今なお信仰の対象になっている。実際にその土地を歩く事で、神話の世界を論理的に解明し、整合性が取れなければその矛盾を突く。梅原氏の手法は、最初から神話をフィクションと割り切ってしまうよりよほど面白い。2014/10/31

ひで

4
2001年に買った本をやっと読了。かつて住んだ鹿児島の国分と隼人に記紀の伝承を探しに行きたくなりました!2021/02/28

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